1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680478
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田口 政義 日本大学, 生産工学部, 教授 (30154959)
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Keywords | 新古典輸送理論 / 準線形輸送理論 / トカマク / プラズマ / 揺動 / 捕捉粒子 / トロイダル回転 / 磁気軸 |
Research Abstract |
本研究の目的は,新古典輸送輸送と異常輸送に対する準線形理論とを統一的に記述する新古典準線形輸送理論を構築することである.昨年度に続き本年度は次のような研究を行った. 1.静電ポテンシャルの揺動による電子の径方向の粒子束や熱束に対するトロイダル効果を調べた.この結果,揺動の位相速度と電子の熱速度v_eとの比をξ_eとするとき,バナナ領域でのトロイダル効果L^<(T)>は,|ξ_e|<<√<2ε>(εは逆アスペクト比)のときに最大となり,|ξ_e|>>√<2ε>の極限ではO(√<ε>)の大きさになることが分かった.また,円柱プラズマに対する値と比較すると,トロイダル効果の大きさはL^<(T)>(m-nq)/m程度になる.ここで,qは安全係数,m,nはそれぞれポロイダルモード数,トロイダルモード数を表す. 2.揺動による粘性テンソルの平行成分の大きさは,新古典輸送理論より得られる粘性テンソルに対して(mp_e/L)(v_e/qRν_<ee>)(L^<(A)>/√<ε>)程度になる.ここで,p_eは電子のラーマ半径,Lは勾配長,Rは大半径,ν_<ee>は電子間の衝突周波数,また,L^<(A)>は|ξ_e|/√<2ε>の値に強く依存し,この値が小さい極限で最大になる. 3.揺動により誘起されるトロイダル回転の大きさを求める公式を導いた.この式は,ドリフト運動論的方程式において,揺動によるソース項が運動量源として近似できるときには,スタンダードな新古典輸送の理論のモーメント法で求めたものと一致する.また,この公式を用いて,ITGモードの揺動がつくるトロイダル回転の大きさを求めた. 4.非軸対象平衡磁場の場合や電磁的な揺動が存在する場合へ新古典準線形輸送理論を拡張し,輸送行列を求めた. 5.通常の新古典輸送理論の破綻する磁気軸近傍の輸送係数と従来の新古典輸送理論の成り立つ領域で輸送係数とを補間する方法を提示した.この方法を用いて,磁気軸を含めたプラズマの全領域で成り立つ輸送係数の解析的な表現を求めた.
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[Publications] M.Taguchi: "Anomalous Transport Matrix for Tokamak Plasma in the Weakly Turbulent Regimes"Journal of Plasma Physics. 62. 269-285 (1999)
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[Publications] M.Taguchi: "Neoclassical quasilinear transport theory in tokamak plasmas"Journal of Plasma Physics. 62. 287-303 (1999)