2000 Fiscal Year Annual Research Report
ベータアルミナと低融点塩化物溶融塩を用いるエネルギー貯蔵用二次電池の基礎研究
Project/Area Number |
10680482
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片桐 晃 京都大学, 総合人間学部, 教授 (30026207)
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Keywords | ベータアルミナ / 塩化アルミニウム / ナトリウム / 二次電池 / エネルギー貯蔵 |
Research Abstract |
本研究対象の電池は,電力貯蔵や電気自動車用動力源を目的としたもので,ナトリウムを負極活物質,ベータアルミナ固体電解質を隔膜,塩化アルミニウム・塩化ナトリウム混合溶融塩と塩化硫黄(IV)を正極活物質とする電池である。 本年度は,先ずベータアルミナ/AlCl_3-NaCl溶融塩界面のACインピーダンスの測定と解析を試みたが,ベータアルミナと溶融塩の接触部に気体が発生するトラブルがおこり,この原因が不明でインピーダンス測定に至らなかった。一方,正極活物質中の濃度・電位分布の解析のために,イオンの拡散,泳動,化学反応および液の流動を考慮した物質移動の式と,電気的中性条件から導かれる電位の式を連立させる方法を考案し,いくつかの単純な場合についてこの方法が有用であることを示した。さらにAlCl_3-NaCl溶融塩を用いる電池の電極や電池容器用耐蝕材料として,タングステンをニッケル基板の上に析出させる方法について検討を加えた。すなわち,WO_3などのタングステン化合物を溶解したZnCl_2-NaCl溶融塩中で電解を行うことにより,ニッケル上に緻密なタングステン電析層を形成することができた。以上の研究成果は,本研究対象のNa-S(IV)電池や同種の電池の実用化に資するものと考えられる。
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