1999 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズセシウムエアロゾルの発生・成長過程解明への実験的アプローチ
Project/Area Number |
10680485
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
空閑 良寿 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (60183307)
|
Keywords | フィッションプロダクト / ヨウ化セシウム / ナノ粒子 / 分級 / モビリティアナライザー / 低圧 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
軽水炉原子力発電使用済み核燃料再処理工程において発生するフィッションプロダクト中に含まれるセシウム系ナノ粒子のモデル粒子として,同様にフィッションプロダクトのひとつである,銀粒子を用いた実験的検討を最初に進めた。昨年度までに開発,試作したナノサイズ粒子をその場測定するための静電分級型モビリティアナライザ(DMA)の分級特性を実験的に検討するため,DMA下流に,透過型電子顕微鏡TEM(共同利用機器)用の捕集器を取り付け,分級粒子のサンプリング,TEMによる観察を行い,クロスチェックした。DMA分級設定径とTEM観察粒径分布から算出したそれとを比較したところ,DMA径のほうが若干大きい(+14%)ものの両者は両対数プロット上で,5-25nmの範囲で傾き1のよい相関を得え,さらに分級のシャープさを表す,粒径分布の幾何標準偏差の値は,分級前の1.33-1.6から,実験条件での理論値(理想的値)1.093とほぼ見なせる,1.1という値を得た。 つぎに,フィッションプロダクトの代表的物質である,セシウムとヨウ素からなる,ヨウ化セシウムエアロゾル粒子の発生器を試作し,その発生を試み,粒径分布をDMAで測定したところ,その発生条件により,5-100nm(あるいはそれ以上のサイズ)に分布していることを見出し,発生温度が上昇するにつれて,発生粒子濃度,粒径が大きくなることを明かにした。また,DMA分級前後のサンプリング粒子のTEM観察から,Agナノ粒子の場合と同様にDMAを用いたサイズ計測さらにはサイズ選別が可能であることを実験的に明らかにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] M.Hirasawa,Y.Kuga ら: "In-situ observation of UF_5 nanoparticle growth using a DMA"Proceedings of 17th Annual Conference of American Association for Aerosol Research. 18-18 (1998)
-
[Publications] Y.Kuga ら: "In-situ observation of UF_5 nanoparticle growth in a low pressure mixed flow reactor"Applied Physics A. 68. 75-80 (1999)
-
[Publications] Y.Kuga ら: "Comparison of nm-sized particle measurements by low pressure DMA and by transmission electron microscope"J. Aerosol Science and Technology. 30S. 347-348 (1999)
-
[Publications] 空閑良寿 ら: "低圧場での微分型静電分級器(DMA)によるAgナノ粒子の測定とTEM観察による比較"化学工学会室蘭大会発表要旨集. 53-53 (1998)
-
[Publications] 空閑良寿 ら: "低圧場でDMAを用いたAgナノ粒子の粒径測定と分級特性"化学工学会第32回秋季大会講演要旨集. 436-436 (1999)
-
[Publications] 空閑良寿 ら: "セシウム化合物ナノメーターサイズ粒子の発生と沈着"日本原子力学会2000年春の年会. (発表予定). (2000)