1998 Fiscal Year Annual Research Report
電気絶縁材料に及ぼす放射線照射効果ミクロダイナミクスの研究
Project/Area Number |
10680489
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60115988)
|
Keywords | セラミック絶縁材料 / 放射線照射効果 / 放射線誘起電気伝導 / 電荷蓄積 / 電子捕獲・再放出 / 再結合 / 電離電子 |
Research Abstract |
14MeV中性子源及び^<60>Cor線源を用いてセラミック電気絶縁材料の放射線誘起電気伝導について調べた。円板状アルミナ試料への印加電圧を変化させて,放射線照射中のAl_2O_3に流れる電流を測定した。また,放射線フラックスを時間的に変化させた場合のAl_2O_3中を流れる電流の応答についても調べた。14MeV中性子及び^<60>Cor線源照射下のセラミックス試料の電気伝導度は,中性子,γ線フラックスに依存したが,放射線誘起電気伝導度への放射線の線質の違いによる影響は小さい事が分かった。また,試料への印加電圧がOVにおいても試料中に電流が流れ,高線量率照射実験においては電流値の飽和傾向が見られた。この事から,試料内での電荷蓄積や空間電荷効果の影響が現れていると考えられる。放射線フラックスの時間的変化に対するセラミックス中を流れる電流の応答は非常に遅く,電離による生成電荷がセラミックス中を非常に遅い速度で移動している事が考えられる。セラミックス中の電離電子の挙動を基にした応答のシュミレーション計算との比較から,セラミックス中を流れる電流の応答が送れる要因として,トラップ欠陥による電子の捕獲・再放出現象が大きく関わっている事が分かった。電離,再結合,電子捕獲・再放出及び拡散という要素を基に放射線誘起電気伝導モデルを考えたが,セラミックスの放射線通気電気伝導の機構を正確に解明する為には,これらの個々の効果について,更に詳細に考察して行く必要がある。
|
Research Products
(1 results)