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1998 Fiscal Year Annual Research Report

陽電子ビーム輝度増強用希ガス固体リモデレータの開発

Research Project

Project/Area Number 10680490
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

西嶋 茂宏  大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00156069)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 木村 徳雄  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80195370)
田川 精一  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
誉田 義英  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40209333)
Keywords希ガス固体 / 陽電子 / リモデレータ / 分子動力学 / 動径分布関数 / 波動関数 / 陽電子寿命 / 自由体積
Research Abstract

高輝度陽電子ビーム生成用希ガス固体リモテレーターを制作するため、小型冷凍機の冷凍能力、最低到達温度及び固体希ガスの物性を比較し希ガス固体制作用ステージの設計を行った。また、制作したステージの運転を行い、約1時間の運転で13kへの到達を確認し、充分希ガス固体を制作できることを確認した。
希ガス固体用冷凍機設計と並行して希ガス固体中の陽電子寿命を計算し、制作すべき希ガス固体の状態についての検討を行った。手法としては分子動力学を用いて結晶及びアモルファス希ガス固体を制作した。続いて希ガス固体中の陽電子の波動関数を計算し、求めた波動関数と原子配置を利用し陽電子寿命を計算した。用いた材料はアルゴンである。
NTPのアンサンブルを利用しアルゴン固体を作成した。結晶固体は20Kで、アモルファスは120Kから急冷する事により制作した。体系は原子数500程度で行い、周期境界条件を課した。平衡状態が実現した時の原子配置の動径分布関数を計算し、結晶及びアモルファス状態が実現していることを確認した。次いで、この原子配置を利用して陽電子の波動関数を計算した。計算は有限差分を利用してシュレディンガーの波動方程式を解ことで行った。体系中での陽電子が受けるポテシシャルは、ハートレー・フォック法の計算によるスクリーンド・クーロン・ポテンシャルを利用した。
結晶構造を作っているアルゴン中の陽電子の波動関数は、原子核の近傍では小さくなっている。またアモルファス中の陽電子は自由体積中に局在しており、波動関数は非対称となっている。これはアルゴンの原子が非対称配置をとっている事が理由である。陽電子の波動関数と原子の配置を利用して陽電子寿命を計算した。計算は陽電子と固体中の電子が同じ空間に存在する確率が消滅速度に比例するとして計算した。計算の結果の、結晶状態で417psと算出された。実測値は、430psと報告されている。このような計算手法を利用する事により、リモデレーターとして望ましい結晶構造を有する材料の製作条件や、さらには実際の希ガス固体の寿命測定から結晶性の評価などが可能になった。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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