1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680492
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
佐々木 研一 立教大学, 理学部, 教授 (70022647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 文夫 原子力研究所, 教授 (20062606)
林 脩平 立教大学, 観光学部, 教授 (30027437)
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Keywords | Fuel Failure Detection / FFD / Pool Type Reactor / Fission Product / Rare Gas / Kr-88 / Kr-89 / Xe-138 |
Research Abstract |
プール型研究用原子炉の燃料破損検出(Fuel Failure Detection,FFD)のための簡易連続監視装置製作、および作動機作の理論解析を行う申請に対する予算交付を受け、年度当初から製作・測定を進めてきた中空カラムによる装置を稼働可能とした。 装置は、(1)1次冷却水プール内に吹き込む窒素ガスにより核分裂起源の希ガス^<88,89>Kr、^<138>Xeを捕集する部分、(2)その希ガスを娘核^<88,89>Rb、^<138>Csに壊変させ水相に抽出する中空カラム部分、(3)抽出した^<88,89>Rb、^<138>Csのγ線スペクトルを測定するγ線スぺクトロメータで構成した。心臓部(2)では、ガスを下から、水相を上から互いに向流的に導入・接触させた。カラムのサイズ・形状、両相の導入方法、内壁の親水性、流速等、可変の諸元は多いが、本年度は窒素ガス流速のみを変え、影響を検討した。 プール内の核分裂起源希ガスの空間分布が燃料体からの距離や冷却水の対流により著しく異なるため、希ガス捕集用窒素ガスのプール内の吹き出し位置設定が、最終的な^<88,89>Rb、^<138>Csのγ線計数率の再現性にことのほか影響することが判明し、その点に注意を払うことにより、解釈可能な結果を得ることができるようになった。 その結果、窒素ガス流速約1.8Lmin^<-1>においてγ線計数率が最大値を示した。だだし、中空カラムは内径100mm、長さ2000mmとし、内壁に親水性の寒冷紗を密着させ、水相を壁面沿いに毎分12mL流した。応答曲線の山型は理論に基づくシミュレーションと合うが、ピーク位置にずれがあるので、理論解析の方法などについて目下検討中である。 原理や装置に無理がないので、実用性は十分あるが、さらに次年度はカラムでの^<88,89>Rb、^<138>Csの水相移行率を高める因子の探査、Ge検出器以外の安価な検出器の使用などを試みながら、理論的裏づけを明解にしたい。
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