1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680523
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴山 秀雄 芝浦工業大学, 工学部・通信工学科, 教授 (50052866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 一保 芝浦工業大学, 工学部・通信工学科, 助教授 (40052766)
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Keywords | フラクタル補間 / 環境音の自己相似性 / フラクタル予測 / 離散反復関数系 / アフィン変換 / 等価騒音レベル / 聴覚心理 / タケンスの定理 |
Research Abstract |
フラクラル次元を変化させて音の複雑さと音色の関係を調べた聴覚心理実験の結果から、フラクタル次元が高くなるほど「複雑さを増し」そして「音色の特徴が少なくなる」という傾向を示し、フラクタル次元は聴覚心理の重要なパラメータである事がわかった。生活環境に存在する騒音のフラクタル次元は1.5以下の音がほとんどであり、フラクタル性を有する音波が多い事が分る。生活している音環境の保全には騒音レベルの評価と同時に、騒音の音質も加味した環境基準が必要である。急峻に変化する音波や断続的に変化する信号を発生する場合には、Weierstrass関数や非整数微分方程式を用いた音波生成法は適していない。不連続性な信号部分が発生しないように常にフラクタル次元に対応した滑らかなに変動できる生成法が必要である。線形予測法に代表されるように過去のデータに重み付けを行う事により、音波生成が可能なモデル化ができる場合には、そのモデルにしたがって音波を作成できるが、移動音源が存在している交通騒音のように伝送系が常に変化している場合には、音波の発生機構は複雑になり、音波生成や時系列信号の補間も必要である。 その生成系には、適応処理技術を導入したり、あるいは最新の観測信号系列が過去の時系列中に存在しているか場合には、一次元波形を多次元ベクトル信号に再構築し、時系列を予測するタケンス法を用いる事が可能である。また、環境音の自己相似性を表わすフラクタル次元に大きな変動がない場合には、反復関数系によるフラクタル補間法ではアフィン変換を用いて、音場で発生した音波のフラクタル次元に対応した信号を発生可能である。これらの手法を用いた結果、信号系列を組み合わせる方法で生じる波形間の不自然さを発生しない環境音を模擬できるフラクタル信号生成する事ができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 柴山 秀雄: "時系列信号のフラクタル次元を考慮した補間"日本音響学会1999年秋季究発表会 講演論文集. 2-5-1. 415-416 (1999)
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[Publications] 柴山 秀雄、富永一保: "時系列信号の予測における埋め込み次元の影響"日本音響学会1999年秋季究発表会 講演論文集. 2-5-2. 417-418 (1999)
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[Publications] 影山 壮志、柴山 秀雄: "時系列信号のコラージュ定理に基づくフラクタル構造解析"日本音響学会1999年秋季究発表会 講演論文集. 2-5-3. 419-420 (1999)
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[Publications] 飯沼 良之、柴山 秀雄: "再構成法による予測に振幅の正規化を用いた効果"日本音響学会1999年秋季究発表会 講演論文集. 2-5-6. 425-426 (1999)
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[Publications] 富永 一保、柴山 秀雄: "パソコンを用いた航空機騒音の評価II"日本音響学会1999年秋季究発表会 講演論文集. 1-6-21. 671-672 (1999)
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[Publications] 柴山 秀雄、富永 一保: "環境音のフラクタル次元に着目したフラクタル補間の効果"日本音響学会2000年春季研究発表会論文集. 2-6-11. 483-434 (2000)