1998 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域モニタリングのためのイガイを用いた多重バイオマーカー試験の開発
Project/Area Number |
10680527
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Research Institution | Toyama Prefectual University Junior College |
Principal Investigator |
楠井 隆史 富山県立大学短期大学部, 環境工学科, 教授 (60153293)
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Keywords | バイオマーカー / ムラサキイガイ / 沿岸域 / 薬物代謝活性 / 小核試験 |
Research Abstract |
本年度はMFO(Mixed function oxygenate)活性、小核試験、食胞作用、単細胞電気泳動試験(SCG)について基礎的検討および野外調査を実施した。MFOでは中腸線ホモジネートの810を用いて検討。当初のカナダ環境庁のマイクロプレートを用いた方法で検討したが、感受性の点より、北海道大学の藤田らの方法に変更した。ベンソ[a]ピレンを用いた室内実験では、EROD,ECOD,PRODにおいては暴露による活性増加が認められた。しかし、バックグランドの高さ及び活性測定条件(37℃、5〜30分)について、今後検討の必要がある。小核試験をについては血リンパ、鰓組織を用いて検討した(アクリジンオレンジ蛍光染色法)。鯉細胞の単離方法を数種類検討したが適切な条件が得られず、血リンパを用いて実験を行った。塩化亜鉛(85、170、255mg/L,48時間暴露)を用いた室内実験の結果では各濃度とも24時間後には増加が認められた(実験開始時には1000個当たり4.92〜5.38)。しかし、48時間後には有意な増加は無かった。濃度との関連では255mg/L投与時の24時間後に1000個当たり最大値8.5が認められた,食作用試験方法は蛍光染色大腸菌を用いる方法を検討し結果を得た。単細胞電気泳動試験(SCG)については血リンパで検討を行ったが、細胞濃度の濃縮の必要がある事が判明した。上記の手法を持ちいて、富山湾で予備的な調査(5地点)を実施したところ、MFO活性(EROD)と小核試験に正の相関が認められた。今後、各手法の実験条件の最適化と指標間の相互関係を室内実験と野外調査で検討する予定である。
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