2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680529
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
笠井 文絵 国立環境研究所, 生物圏環境部, 室長 (70224376)
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Keywords | ミカヅキモ / 遺伝的変異 / 環境ストレス / 微細藻類 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、より多くの遺伝的変異を見つけるためにマイクロサテライトのプライマーの検索を行った。マイクロサテライト配列はどの生物にも共通して見られる2ないし数塩基の単純な繰り返し配列であるが、その両脇の特異的な配列をプライマーとして用いて特定の遺伝子と同様にPCRによって増幅し、変異を検出することができる。本研究の対象生物であるミカヅキモではプライマーが知られていないため、そのプライマーの検索を行っている。マイクロサテライト部位は種レベル以下の構成単位の遺伝的変異を検出するほとんど唯一の、優れたマーカーであるため、時間を要しても検索する必要があった。シャジク藻綱に属するミカヅキモは、系統的に比較的高等植物に近いため、高等植物のマイクロサテライト配列を参考にして、独自に設計したマイクロサテライト配列を利用し、ゲノムDNAの制限酵素断片中のマイクロサテライト配列を含む断片の割合を増やすといった方法を用いた。この方法を利用して作製したライブラリーを、アンピシリン添加培地にまき、培養してコロニーを形成させた。コロニーを膜に転写し、アルカリ変成、UV固定を行った後、^<32>Pで標識した15種類の、独自に設計したマイクロサテライトオリゴマーと反応させた。^<32>Pで標識したマイクロサテライトオリゴマーと結合し、ラベルされたコロニーを分離し、200mLのアンピシリン添加LB培地で一晩培養した。増殖した菌を集め、DNAを抽出・精製した。抽出したDNAはその一部を制限酵素で切断し、インサートの有無を確認した。またライブラリー作製時に使用したベクターのプライマーを利用して、インサート部分のDNA塩基配列を決定した。
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