Research Abstract |
研究の初年度は,荒川河川敷での自然環境調査を行なった。荒川河岸には,上流及び下流からゴミ類が漂流し打ち上げられ,荒川の環境汚染問題になっている。 最近,プラスチック類のゴミが多くなり環境に与える影響が心配されており,特にプラスチック製品の中間物質であるレジンペレットは,鳥・魚,水中動物の餌となるため,レジンペレットによる「環境ホルモン」の影響や,生態系に与える影響も検討されるようになった。 今回は,プラスチック製品のうち,特に河岸の干潟に打ち上げられるレジンペレットを調査した。 (実験方法) 荒川河岸の水際部から河川敷に向って緩やかな傾斜になっている干潟に,50cm×50cmの正方形の範囲で,3ケ所試験採取地点とした。水辺からそれぞれA,B,C地点とした。 (結果) 採取した試料は,節でふるい分け,天然物と人工物に分け,ふるい落ちた砂,小石藁屑等の中にレジンペレットを含む,発泡スチロール玉やプラスチック製品の小片等が混在していた。 レジンペレットを分別し,その個数比は,C地点86.9%,A地点12.8%でB地点は僅か0.3%のみ存在していなかった。 このことは,レジンペレットが水より軽いという性質上,河川水の潮の干満や船舶の波により,水辺の下から上へ,そして,砂利や砂より上の葦・藁屑の中に多くのレジンペレットが存在していた。波が上下する中間点のB地点では,大部分が砂利であるため,このような条件下では,レジンペレットは停まらないことが明らかになった。 レジンペレットの多くは,直径3〜5mmの平たい円形で,その他に丸・円柱・楕円・長四形・レンズ型等もあった。色は無色が多かったが,白・黄・褐・橙・赤・青・緑・灰。黒色等も僅かあった。
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