1999 Fiscal Year Annual Research Report
土壌における多種類の芳香族化合物の分解に関与する微生物群の動態解析
Project/Area Number |
10680542
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片山 新太 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60185808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 彰 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50231098)
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Keywords | 芳香族化合物 / 微生物分解 / デヒドロゲナーゼ / 脱塩素活性 / キノンプロファイル / ^<14>C標識キノン / 土壌 / 複数基質 |
Research Abstract |
本研究では2年間で、(1)土壌中の芳香族化合物分解微生物群の活性プロファイルと菌数、(2)キノンプロファイルによる単一基質の分解菌の検出、(3)キノンプロファイルによる複数基質の分解菌の検出に関する研究を行った。本年度行ったのは、(1)の継続部分と(3)である。 昨年度までに、芳香族化合物分解微生物群のプロファイルを検出する方法として、デヒドロゲナーゼ指示薬および脱塩素活性指示薬を用いた自作マイクロプレートを作製し、各種の芳香族化合物に対する土壌の分解ポテンシャルのプロファイルを得ることができた。堆厩肥を入れている土壌では、芳香族化合物の分解ポテンシャルがより多様であることが示された。本年度は、脱塩素活性を測定して、塩素化芳香族化合物の分解菌数プロファイルを調べた。その結果、堆厩肥の施用によって2,4-dichlorophenolは分解菌数が増えるが3-chlorophenolでは影響が無いという興味深い現象が見いだされ、この方法の有用性が示された。 昨年度、全キノンの分析と同時に^<14>C標識キノンを検出するという方法によって、土壌中の全微生物群の構造と特定の単一基質を資化する微生物群の構造を同時に調べる方法を開発した。グルコースあるいはグリシンの様に土壌中に資化菌が多く存在すると思われる物質の場合、非常に高い再現性が得られ、単一基質を土壌に添加した場合の分解菌の検出法を確立することができた。本年度は、芳香族化合物(モデルとしてフェノールと安息香酸)を対象として複数の基質の資化菌群を検出する方法を開発した。片方の化合物のみを^<14>C標識することによって、それぞれの資化菌群を検出することに成功した。土壌中の無機化率や全キノンプロファイルおよびキノンの^<14>C標識率から、フェノールと安息香酸が同時に存在する場合、フェノールはより生合成に用いられ、安息香酸はより無機化されることが明らかとなった。また、単一基質の場合はフェノールでも安息香酸でも濃度が高い方が、生合成系へ使われる割合が、増加することが明らかにされた。土壌中の無機化率や全キノンプロファイルおよびキノンの^<14>C標識率に関しては、2連の土壌間で一致しており再現性が得られているのに、^<14>C標識されるキノン種は、2連の間で大きくばらつく結果となった。そのばらつきの原因は、土壌の微視的性質のばらつきによるものか、分解菌数が少ないためなのか、現時点では不明である。しかし、無機化率とキノンの^<14>C標識率の結果から、同時にフェノールと安息香酸が存在した場合には、無機化率が単独の場合とは異なることが明らかにされた。複数の基質が存在する場合でも^<14>C標識キノンを検出することによって資化菌群を検出するという方法が利用可能であることが、明らかになった
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[Publications] Saitou,Fujie and Katayama: "Detection of microbial groups metabolizing a substrate in soil by the [14C]quinone"Soil Sci.Plant Nutr.. 45. 669-679 (1999)
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[Publications] Uchida.et al: "Changes in microbial community structure in soil percolated with pentachlorophenol"J.Pesticide Sci.. 24. 186-188 (1999)
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[Publications] Hu et al: "Quantitative analysis microfloral changes in a bioreactor waste water …"Water Research. 33. 3263-3270 (1999)
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[Publications] Saitou et al: "Linear relation between the amount of respiratory quinones and the microbial…"Soil Sci Plant Nutr. 45. 775-778 (1999)
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[Publications] Watanabe et al: "Evaluation of origins of CH4 carbon emitted from rice paddies"J.Geophys.Res.. 104(D19). 23623-23629 (1999)
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[Publications] Toyota et al: "Impact of fumigation with metam sodium upon soil microbial community structure"Soil Sci Plant Nut.. 45. 207-223 (1999)
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[Publications] 片山新太 山本広基: "「新 土と微生物 (4) 環境と微生物」 第2章 農薬と微生物"博友社. 73-79 (1999)