1998 Fiscal Year Annual Research Report
メタン生成反応に関与する微生物の潜在能力に及ぼすCo^<2+>およびNi^<2+>の影響
Project/Area Number |
10680549
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木田 建次 熊本大学, 工学部, 教授 (00195306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森村 茂 熊本大学, 自然化学研究科, 講師 (20230146)
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Keywords | メタン生成細菌 / F430 / コリノイド / 菌体活性 / 代謝変換 |
Research Abstract |
酢酸を炭素源としたNi^<2+>やCo^<2+>添加および無添加合成廃水を用いて、完全混合型リアクターで嫌気性条件下での連続培養を行い、メタン生成細菌の菌体活性および酵素活性を測定した。Ni^<2+>,Co^<2+>無添加系ではD=0.05d^<-1>でもwashoutしたが、添加系ではメタン生成細菌の増殖速度も速く、D=0.7d^<-1>といった大きな希釈率でも安定して連続培養を行うことができた。添加系において、Ni^<2+>およびCo^<2+>を含むF430およびコリノイドの単位菌体当たりの含量は、希釈率が0.1d^<-1>までは希釈率の増加とともに直線的に増加したが、希釈率が約1.0d^<-1>以上ではほぼ一定となった。そのとき菌体活性は、希釈率が0.1d^<-1>までは菌体当たりの補酵素含量の増加に比例して大きく増加し、さらにD=0.1d^<-1>以上においても0.6d^<-1>までは希釈率の増加に伴って直線的に増加した。したがって、メタン生成細菌の潜在能力は補酵素含量により決定され、菌体活性は希釈率により制御されると思われた。 次に、菌体活性の高い状態から希釈率を小さくしたところ、やはり菌体当たりの補酵素含量が減少し菌体活性ち大きく減少したが、水素と炭酸ガスからメタンを生成するC1サイクルと呼ばれる代謝系に特有のF420の相対活性は大きく増加した。したがって、酢酸を炭素源とした場合のメタン生成反応は、菌体内の補酵素含量もしくは菌体活性が高い環境では酢酸から直接メタンに変換する代謝経路が主となるが、それらが低下すると菌相が変化し、C1サイクルに変換するものと推察された。
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