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1998 Fiscal Year Annual Research Report

風蓮湿原における植生成立機構の解析とその保全に関する基礎研究

Research Project

Project/Area Number 10680557
Research InstitutionSapporo School of the Arts

Principal Investigator

矢部 和夫  札幌市立高等専門学校, インダストリアルデザイン学科, 講師 (80290683)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 倉持 寛太  北海道大学, 農学部, 助手 (00225252)
原口 昭  新潟大学, 理学部, 助教授 (50271630)
浦野 慎一  北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40096780)
Keywords酸性度 / 水位 / スゲ群落 / 電導度 / ハンモック / mixed mire / ミズゴケ群落 / 水収支
Research Abstract

風蓮湿原の群落分布と水質・水文学的因子の関連について検討し,‘mixed mire'の維持機構を解析した。mixed mireとはスゲ群落中にミズゴケ群落が高さ50cmに達するハンモックをつくって混在する湿原である。風連川左岸で丘陵地辺縁(LO)から風蓮川(L32)にかけて湿原内に1.4kmのラインを設けた。このラインは0.0011%の緩やかな下り勾配になっていた。
1 植生の概要把握
クラスター分析の結果,明瞭なゾーネーションが現れた:ハンノキ林(LO)→mixed mire(L1〜L5)→スゲ群落(L6〜L8)→ハンノキ林(L9からL14)→スゲ群落(L15〜L28)→ハンノキ林(L29〜L31)。
2 泥炭水の化学組成
主要な元素であるMgとNaの濃度,及び酸性度と電導度の値はラインの両端に当たる丘陵縁(LO)と河川(L32)で最大であり,湿原内部に向かって減少していた。このため,丘陵縁側に分布するmixed mire中のMgやNaの濃度は湿原中央のスゲ群落中の濃度よりも高かった。
3 水収支・地下水の動態
L5とL6の中間で水位と気象を自動観測し,水収支式より観測地点の流入量を求めた。湿原の水は低水位時にはほとんど流入出しなかったが,ある高さを越えて,地表水が連続するようになると流出し始めた。また,9月に非常に大きな流入が起こったが,これは氾濫による河川水の流入であった。この時,河川水はmixedmireまでは到達していなかった。1月間隔の水位観測の結果,mixed mireの水位は最も安定していた。
安定した水位のもとでは,ハンモックの上は,その基底部の水質の影響を受けずに降水涵養な水質を維持できるため,mixed mireの成立には水位の安定がもっとも重要であるらしい。ハンモック頂部の土壌水pF値は優占種の違いと関係がなかったので,今後水質の違いも検討しなければならない。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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