1998 Fiscal Year Annual Research Report
変異原性ヌクレオチド存在下における真核細胞DNA合成抑制に関する研究
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10680584
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊豆田 俊二 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (50203047)
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Keywords | 真核細胞 / 細胞周期 / DNA複製 / 変異原生ヌクレオチド / チェックポイントコントロール / 無細胞系 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
生体内活性酸素によって生ずる変異原性ヌクレオチドアナログの一つである8-oxo-dGTPの真核細胞DNA複製に及ぼす影響を、1本鎖DNAを鋳型としたアフリカツメガエル卵無細胞系をS期におけるDNA鎖合成のモデルに用いて解析した。その結果、8-oxo-dGTP存在下では非存在下と比較してDNA合成量が著しく減少すること、およびこの合成量低下は合成速度の低下に起因することが明かとなった。又、タンパク質りん酸化酵素阻害剤を用いた研究より8-oxo-dGTPによるDNA合成速度低下にはprotein kinaseC様タンパク質りん酸化酵素の活性化が関与していることが示された。一方、紫外線損傷DNA(UV-DNA)も8-oxo-dGTPと同様にこの系でDNA合成速度低下を起こすことが明かとなったが、UV-DNAの場合ではprotein kinaseC様タンパク質りん酸化酵素の関与は見られなかった。以上の結果から、アフリカツメガエル卵無細胞系で見られるDNA合成速度低下の機構は、8-oxo-dGTPとUV-DNAとでは異なることが示唆された。
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