1998 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送におけるタンパク質選別に関与するVIP36の機能解析
Project/Area Number |
10680592
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Research Institution | Sasaki Institute |
Principal Investigator |
久下 小百合 佐々木研究所, 生化学部, 研究員 (50260104)
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Keywords | VIP36 / MDCK細胞 / レクチン / 高マンノース型糖鎖 / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
VIP36(vesicular integral protein of 36 kDa)は、MDCK細胞より糖脂質に富む界面活性剤不溶性画分よりアピカル側マーカータンパク質と共に同定され、その後、ルーメン領域のアミノ酸配列がマメ科レクチンおよびERGIC-53と相同性があることが示されていた。そこで我々は、リコンビナントのVIP36のルーメン領域(Vip36)を用いて各種糖ペプチドとの結合実験を行ない、VIP36はManα1→2結合を有する高マンノース型糖ペプチドを認識することを明らかにした。この結合は2価イオンを必要とせず、至適pHは6.0であった。変異体Vip36を作製し、高マンノース型糖鎖との結合に対する影響を調べたところ、βシ一ト内の糖結合ドメインに保存されているアスパラギン残基(131)がレクチン活性に必須であることが明らかとなった。MDCK細胞において、VIP36が認識する高マンノース型糖鎖の分布を調べた結果、分泌タンパク質、膜タンパク質共にバソラテラル側に比べ、アピカル側に輸送されるタンパク質により多く存在することが示された。実際、アピカル側糖タンパク質はVIP36との特異的結合活性が高く、この活性はタンパク質をエンドグリコシダーゼH処理することにより消失した。さらにVIP36に対するポリクローナル抗体を作製し、それを用いて膜タンパク質をドメイン選択的にラベルしたMDCK細胞で免疫沈降を行った結果、VIP36はアピカル側膜タンパク質により多く存在することが明らかとなった。以上の結果より、VIP36は細胞内レクチンとして機能し、高マンノース型糖鎖を有する糖タンパク質の細胞内輸送に関わっていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fukushima, K.et al.: "Elevation of Gal : α2→6 sialyltransferase and Gal : α1→2 fucosyltransferase activities in human choriocarcinoma" Cancer Res.58. 4301-4306 (1998)
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[Publications] Yamashita,K.et al.: "VIP36の糖鎖認識と細胞内輸送における役割" 蛋白質核酸酵素. 43. 2455-2463 (1998)
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[Publications] Seko,A.et al.: "Identification and Characterization of N-Acetylglucosamine-6-O-sulfate-Specific β1, 4-Galactosyltransferase in Human Colorectal Mucosa." FEBS Lett.440. 307-310 (1998)
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[Publications] Hara-Kuge, et al.: "Vesicular-integral membrane protein, VIP36, recognizes high-mannose type glycans containing α1→2 mannosyl residues in MDCK cells" Glycobiology. in press.
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[Publications] Yamamshita,K.et al.: "Intracellular lectins associated with N-linked glycoprotein traffic" Biochem.Biochim.Acta. in press.