1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680595
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宗像 浩 近畿大学, 医学部, 教授 (90111294)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 科名 近畿大学, 医学部, 助手 (30195929)
吉田 浩二 近畿大学, 医学部, 助手 (60230736)
山本 和彦 近畿大学, 医学部, 助手 (00166787)
斉藤 昭夫 近畿大学, 医学部, 講師 (40153788)
|
Keywords | 5-アミノレブリン酸合成酵素 / ミトコンドリア / タンパク質細胞内輸送 / ヘム調節モチーフ |
Research Abstract |
5-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS)はヘム生合成経路の最初の反応を触媒するミトコンドリア(Mt)酵素で,非特異型(ALAS-N)と赤血球型(ALAS-E)の2種のイソ酵素が存在する.ALAS-NのMt移行については,ヘムによるフィードバック調節が知られており,これにはCys-Proを含む配列(ヘム調節モチーフ,HRM)が関与している.また,このヘム調節には,N末端側の3つのHRM(N末側よりHRM1,HRM2,HRM3とする)のうち,特にHRM1とHRM3の存在が重要である.一方,ALAS-E発現培養細胞でのヘム添加実験では,ALAS-EにもHRMが存在するにもかかわらず,明白なMt移行阻害が見られない.このように両イソ酵素におけるMt移行についてのヘムによる調節のされ方は異なっており,この違いの分子レベルでの理解を深めるため,以下の検討を行った. ALAS-EとALAS-Nの一次構造の差は主としてN末側のHRMを含む領域にあり,前者ではHRM2とHRM3(従ってHRM1とHRM3)の間隔が前者より約40アミノ酸残基短い.そこで,このような領域を改変したラットALAS変異体を各種作成し,QT6細胞を用いた一過性発現系でヘムの影響を解析した.その結果,ALAS-NのHRM2とHRM3の間のアミノ酸配列の一部39残基を欠失させた変異体では,ALAS-Nで認められたヘム添加によるMt移行阻害が消失した.しかし,ALAS-Nの上記39残基をALAS-Eの対応する部位(HRM2とHRM3の間)に挿入しても,ALAS-Nにおけるようなヘム添加の影響は観察されなかった.一方,スクシニルアセトン(SA)添加によりヘム合成を阻害した細胞では,ALAS-N,ALAS-E上記の変異体のいずれについてもMt移行の増加が見られた.また,SA存在下においても,ALAS-Eには明白なヘム添加効果は見られなかった.結論]HRMのヘムに対する感受性は,各イソ酵素の生理的役割を反映して,ALAS-Nの方が著しく高い.ヘム調節には,二つのHRMの存在とともに,HRMを含むN末領域の高次構造も重要であることが示唆された.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 宗像 浩: "赤血球型および非特異型5-アミノレブリン酸合成におけるヘムによるミトコンドリア移行調節とヘム調節モチーフ" 生化学. 70,8. 925-925 (1998)
-
[Publications] 宗像 浩: "Regulation of mitochondrial import of 5-aminolevulinate through name-regulatory motif" Porphyrin-Heme Symposium Abstruct. 85-85 (1998)