1998 Fiscal Year Annual Research Report
ドリコールリン酸、bFGFにより誘導される視神経細胞細胞死での情報伝達経路の解析
Project/Area Number |
10680600
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加納 和孝 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70111507)
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Keywords | ドリコールリン酸 / 細胞死 / U937細胞 / 情報伝達 |
Research Abstract |
これまでの研究で、ドリコールリン酸が神経網膜細胞、グリオーマ細胞及び白血病細胞U937の細胞死を促進することを明らかにした。しかしながら、現象を押さえただけで、ドリコールリン酸がどのように細胞死の情報を与え、それが核まで伝えられ、結果として細胞死が発現するのか、自身が細胞内に取り込まれ作用するのかについても全く不明である。本年度は細胞表面から細胞内部の情報伝達経路を明らかにする事を中心課題とした。結果は次の通りである。 1) U937ではP53の遺伝子に欠損があることがDNA配列の解析から明らかになった。このことはドリコールリン酸による細胞死の誘導にはP53は直接には関わっていない事を示すと考えられる。 2) FACSによる解析からドリコールリン酸による細胞死誘導の際にミトコンドリアの膜電位の変化が観察された。これはドリコールリン酸がミトコンドリアの電子伝達系に作用している可能性を示す。現在、呼吸系の各酵素についてドリコールリン酸の効果について詳しい解析を行っている。 3) 鎖長の異なるドリコールリン酸、ドリコール類似体を用いて構造特異性を検証した。細胞死にはある程度のドリコールリン酸の鎖長、即ちイソプレン単位で7単位(炭素数で35)以上の長さとリン酸化されていることが必要であることが明らかとなった。
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