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1999 Fiscal Year Annual Research Report

ドリコールリン酸、bFGFにより誘導される視神経細胞細胞死での情報伝達経路の解析

Research Project

Project/Area Number 10680600
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

加納 和孝  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70111507)

Keywordsドリコールリン酸 / 細胞死 / U937細胞 / チトクロームc / ミトコンドリア / 呼吸鎖酵素複合体
Research Abstract

これまでの研究で、ドリコールリン酸が神経網膜細胞、グリオーマ細胞及び白血病細胞U937の細胞死を促進することを明らかにした。しかしながら、現象を押さえただけで、ドリコールリン酸がどのように細胞死の情報を与え、それが核まで伝えられ、結果として細胞死が発現するのか、自身が細胞内に取り込まれ作用するのかについても全く不明であった。本研究では 1)ドリコールリン酸の細胞内標的を調べること。 2)ドリコールリン酸によるアポートシス誘導の詳しい機構の解析を中心に実験を行い、以下の事を明らかにした。
1) FACSによる解析からドリコールリン酸による細胞死誘導の際にミトコンドリアの膜電位の変化が観察された。これはドリコールリン酸がミトコンドリアの電子伝達系に作用している可能性を示すものである。
2) 電子伝達が行われているミトコンドリアの呼吸鎖酵素複合体へのドリコールリン酸の影響を検 証するために、単離したミトコンドリアを用いて複合体I〜V対するドリコールリン酸の効果 を調べた。ドリコールリン酸は複合体I、II、IIIに強い阻害を示すことを見いだした。呼吸鎖のステップをバイパスする試薬を用いるとドリコールリン酸によるアポートシス誘導が抑制さ れることも同時に明らかとなった。ドリコールリン酸によるアポートシス誘導には呼吸鎖の阻害に起因するミトコンドリアの異常が重要な役割を果たしていることが推測される。更にドリコールリン酸が単離したミトコンドリアからのチトクロームcの遊離を起こさせることも明らかにした。
3) ドリコールリン酸によるアポートシス誘導に際して活性酸素の上昇が認められる。現在この活性酸素の役割につてはわからない。
これらのことから今回の実験ではドリコールリン酸はミトコンドリア呼吸系を標的とし結果的にチトクロームcの遊離を誘導しアポートシスを進めていることが明らかとなった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 富田 春郎: "タモキシフェンによる細胞死誘導機構の検討"外科と代謝・栄養. 33巻3号. 120-120 (1999)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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