1998 Fiscal Year Annual Research Report
ラパマイシン標的蛋白mTORキナーゼによる細胞周期チェックポイント制御機構の研究
Project/Area Number |
10680609
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
米澤 一仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (70283900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻下 洋介 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (80263408)
原 賢太 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (70294254)
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Keywords | アミノ酸 / インスリン / mTORキナーゼ / 蛋白合成 / 細胞増殖 / p70S6キナーゼ / eIF-4E BP-1 |
Research Abstract |
免疫抑制剤であるラパマイシンの標的蛋白として同定されたmTOR(mammalian target ofrapamycin)は、全長約2500のアミノ酸からなり、そのカルボキシル末端近傍にはラパマイシン結合部位および脂質リン酸化酵素のkinase domainに似た構造が存在する。近年の研究により、mTORが細胞増殖因子によるmRNAの翻訳制御にかかわるp70S6キナーゼやeIF4E結合蛋白といったリン酸化蛋白の上流に存在し、これらの活性調節に必須であることが明らかになってきた。 我々は、本年度、以下の点のような新知見を含む論文を国際英文雑誌に報告した。 1) 細胞環境中のアミノ酸バランスによって、p70S6キナーゼやcIF4E結合蛋白のリン酸化が制御されることを示し、このアミノ酸からのシグナル伝達にmTORが関与している可能性。 2) 細胞増殖因子によるmRNAの翻訳の活性化にはこのアミノ酸からのシグナル伝達が必須であることを明らかにし、このシグナル伝達系研究の重要性を世界で最初に報告。 3) 効率よくmTORを免疫沈降し、かつイムノブロットできる有用なモノクロナール抗体を作成。 4) mTORとともに共沈してくる2つのリン酸化蛋白を同定し、eIF4E結合蛋白をリン酸化する蛋白質リン酸化酵素活性とあわせて、mTORが他の蛋白質とmulticomplexを作っている可能性。 5) p70S6キナーゼやeIF4E結合蛋白の活性を調節する上で、蛋白質脱リン酸化酵素の関与の可能性を追求し、alpha4という分子に蛋白質脱リン酸化酵素活性の制御機能があることを報告。 6) 蛋白質の分解(自食作用)が旺盛な肝細胞においては、細胞環境中のアミノ酸が欠乏すると、自食作用により内部からアミノ酸を供給し、細胞増殖因子に対する反応性を保持する作用が存在すること。 7) 細胞環境中のアミノ酸の中でも、ロイシンにこのアミノ酸によるシグナル伝達経路を活性化する強い作用があることを見い出し、そのロイシンの構造上、アミノ基と側鎖そして光学異性が重要であること。 今後、上記成果に基づき、細胞環境中のアミノ酸からのシグナル伝達機構の解明を行なう。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hara K.: "Amino acid sufficiency and mTOR regulate p70 S6 kinase and eIF-4E BPI through a common effector mechanism." J.Biol.Chem.273・23. 14484-14494 (1998)
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[Publications] Nanahoshi M.: "Regulation of protein phosphatase 2A catalytic activity by alpha4 protein and its yeast homolog Tap42." Biochem.Biophys.Res.Commun.251・2. 520-526 (1998)
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[Publications] Gout I.: "Molecular cloning and characterization of a novel p70 S6 kinase,p70 S6 kinase β containing a proline-rich domain." J.Biol.Chem.273・46. 30061-30064 (1998)
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[Publications] Nishiuma T.: "Characterization of the phosphoproteins and protein kinase activity in mTOR mmunoprecipitates." Biochem.Biophys.Res.Commun.252・2. 440-444 (1998)
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[Publications] Shigemitu K.: "Regulation of translational effecters by amino acid and mTOR signaling pathway:Possible involvement of autophagy in cultured hepatoma cells." J.Biol.Chem.274・2. 1058-1065 (1999)
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[Publications] Nanahoshi M.: "Alpha4 protein as a common regulator of type 2A-related serine/threonin protein phosphatases." FEBS Let.(in press).
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[Publications] Shigemitsu K.: "Structural requirement of leucine for activation of p70 S6 kinase." FEBS Let.(in press).