1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680622
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 亨 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80268523)
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Keywords | 糖質加水分解酵素 / グルコシダーゼ / 基質特異性 / 部位特異的突然変異 |
Research Abstract |
α-アミラーゼファミリーの他の酵素のアミノ酸配列との比較から,本研究における変異の標的部位を,Thr272,Gly274,Val275,Thr276,Lys278の5ケ所に決定し,272位はAlaまたはMetに,274位はHisまたはSerに,275位はThrに,276位はAsnに,278位はGluまたはAspにそれぞれ置換した.置換の方法はPCR法によった.変異型酵素遺伝子をB.turingensis由来のicpプロモーターの支配下においた発現ベクターを構築し,大腸菌W3110株の菌体内に本酵素遺伝子を大量発現させた.大腸菌の粗酵素液から,除核酸・熱処理・硫安分画・イオン交換クロマトグラフィーおよびゲルクロマトグラフィーにより,各変異型酵素を均一状態に精製しているところである. またこれまでに得られている変異体については,加水分解反応のみならず糖転移反応の特異性についてもあわせて調べた.シュクロースの初濃度を50ないし60%に設定して,これを基質とした糖転移反応を経時的に追跡した.転移反応の評価は,まずAsahipak NH2P順相高速液体クロマトグラフィーにておこなった.ほとんどのミュータントの転移3糖類の生成能や特異性は野生型と事実上同じであった.しかしながら,いくつかのミュータント(S4,Q2'など)については野生型とは明らかに異なったプログレスカーブを描くものが見つかった.転移3糖類の位置異性体を逆相HPLCにてさらに高度に分離して、その構造を解析するとともに、いくつかの変異体については位置異性体別の生成のプログレスカーブを調べた。
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