1999 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンを介するシグナル伝達の制御機構とその多様性に関する研究
Project/Area Number |
10680624
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
顧 建国 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (30314420)
李 紹良 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40252720)
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Keywords | インテグリン / 基底膜 / ラミニン / ストレスファイバー / 接着斑 / CD151 |
Research Abstract |
1)成体基底膜の主要な接着分子であるα4鎖を含むラミニン-8とα5鎖を雄含むラミニン-10/11を精製し、そのインテグリン結合特異性を明らかにした。具体的には、ヒトグリオーマ細胞T98Gがα4鎖を含むラミニンを選択的に分泌することを明らかにし、このT98G細胞の培養上清からゲルろ過とイムノアフィニティークロマトグラフィーによりラミニン-8を均一に精製した。また、ヒト胎盤より精製したラミニンを抗原としてα5鎖に特異的な単クローン抗体5D6を作成し、この抗体を不溶化したカラムを用いて肺癌細胞株A549培養上清より、ラミニン-10/11を精製する方法を確立した。これらの精製ラミニン標品のインテグリン結合特異性を検討し、インテグリンα3β1とα6β1の両方がラミニン-8およびラミニン-10/11のレセプターとして機能することを明らかにした。2)CD151遺伝子を欠失したマウスを作成するため、CD151遺伝子のターゲティングベクターを構築し、これをマウスES細胞に導入して、相同組換えのおこった細胞をスクリーニングした。これまでに600個以上のコロニーについてスクリーニングを行ったが、これまでに相同組換えをおこした細胞を得ることはできなかった。3)ラミニン-10/11に接着した細胞では、アクチンストレスファイバーと接着斑が形成されない(昨年度報告)。この理由を明らかにするため、低分子量G蛋白質であるRhoおよびRacの活性化の有無をラミニン-10/11に接着した細胞とフィブロネクチンに接着した細胞で比較検討した。その結果、ラミニン-10/11では、Racが速やかに活性化されることを見いだした。Rhoではなく、Racが優先的に活性化されることが、ラミニン-10/11上でストレスファイバーと接着斑が形成されない原因であると考えられる。
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[Publications] Manabe R.et al.: "Alternatively spliced EDA segment regulates fibronectin-dependent cell cycle progression and mitogenic signal transduction"J. Biol. Chem.. 274. 5919-5924 (1999)
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[Publications] Satoi S.et al.: "Different responses to surgical stress between extra domain A_+ and plasma fibronectin"Clin. Exp. Pharmacol. Physiol.. 26. 225-229 (1999)
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[Publications] Gu J.et al.: "Shc and FAK differentially regulate cell mobility and directionality modulated by PTEN"J. Cell Biol.. 146. 389-403 (1999)
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[Publications] Tamura M.et al.: "PTEN interactions with focal adhesion kinase and suppression of the extra-cellular matrix- dependent PI 3-kinase/Akt cell survival pathway"J. Biol. Chem.. 274. 20693-20703 (1999)
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[Publications] Kikkawa Y.et al.: "Integrin binding specificity of laminin-10/11: laminin-10/11 are recognized by α3β1, α6β1, and α6β4 integrins"J. Cell Sci.. 113. 869-876 (2000)
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[Publications] Naito M.et al.: "The domains of human fibronectin mediating the binding of α antigen of mycobacteria that induces protective immunity against mycobacterial infection"Biochem. J.. (in press). (2000)