1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子モータ・アクトミオシンモノマーのX線構造解析とアルカリ軽鎖のESR角度測定
Project/Area Number |
10680633
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒田 敏昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70151165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00029521)
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Keywords | アクチンモノマー / 非重合アクチン / ミオシンヘッド / アクトミオシン / X線小角散乱 / 電子スピン共鳴 / 結晶解析 / スピンラベル |
Research Abstract |
我々は筋収縮のエネルギー変換を蛋白質の分子構造に立脚して理解するために、最小単位であるアクチンとミオシン頭部の単量体コンプレックスのX線散乱実験とモーター蛋白用にESR技術改良を行った。Gアクチンを化学修飾し、全く重合しないがミオシンと結合するアクチンモノマーを調製し、ミオシン頭部S1との1:1複合体を形成させ、複合体のみの散乱強度曲線を得ることに成功していた。算出した慣性半径は50オングストローム、分子量165kDa、最大分子コード長は180オングストローム、アクチン-S1重心間距離72オングストロームとなった。今年度はこれらお指標にしてアクチン、S1の原子座標を用いて全散乱強度曲線を最適化するドッキング原子モデルを計算機により探索したところ、我々の電顕写真観察で予想されるように、S1先端近くにアクチンが結合することが確定した。しかしアクチンは対称軸を持つためS1がアクチンの4サブドメインそれぞれに結合する4つのモデルが残った。DNaseIを結合して非対称としたアクチンとS1複合体の実験により唯一のモデルが確定した。すなわちサブドメインIに結合するとき推定分子量、慣性半径は実験値(180kDa、150オングストローム)とよく一致した。さらに小さいドメイン間内部運動を考慮することにより完全にフィットできた。ADP中でも解離を最小限に抑えた条件で同様の実験することに成功し、分子量は変わらず慣性半径が約3-4オングストロームだけ小さくなった。モデル計算ではS1が長軸のまわりに90度以上回転した。この結果はS1の2つの主結合部位を回転中心とし第2の結合部位は隣接アクチンだけでなく主アクチンとも相互作用できることを示唆し、ATP加水分解中のアクチン-ミオシンの弱い結合の本体を捉えたものと考えれる。 アクチン・ミオシン複合体モノマーの結晶化も精力的に押し進めているがまだ成功には至っていない。アルカリ軽鎖の交換法の改良し、モーター蛋白用高感度ESR測定のためループギャップ共振器を試作し、コンピューター信号処理システムによりスペクトルを記録し調整中である。
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[Publications] T.Arata: "Electron Microscopic Observation of Monomeric Actin Attached to a Myosin Head" Journal of Structural Biology. 123. 8-16 (1998)
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[Publications] D.-S.kim: "X-ray Dittraction Studies on the Structural Changes of Rigor Muscles Induced by Binding of Phosphate Analogs in the Presence of MgADP" Biophysical Chemistry. 74. 71-82 (1998)
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[Publications] T.Arata: "Stucure of the Monomeric Action-myosin Head Complex as Revealed by X-ray Solution Scattering" Adv.Exp.Med.Biol.453. 73-78 (1998)
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[Publications] Y.Takezawa: "Backward Movements of Cross-Bridges by Application of Stretch and by Binding of MgADP to Skeletal Muscle Fibers in the Rigor State as Studied by X-ray Diffraction" Biophysical Journal. 76(印刷中). (1999)