1999 Fiscal Year Annual Research Report
RNAポリメラーゼIIおよびプリオン、LEA蛋白質に存在するタンデムリピートの立体構造研究
Project/Area Number |
10680637
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
松嶋 範男 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (60137403)
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Keywords | RNAポリメラーゼ / プリオン / タンデムリピート / NMR / β-ターン |
Research Abstract |
RNAポリメラーゼIIの最大サブユニットのC末端ドメイン(CTD)は7個のアミノ酸(YSPTSPS)のタンデムリピートからなる。CTDは真核生物間で良く保存されており、生体内においてリン酸化されることで転写の開始と伸長が制御されていることが示されている。われわれは、YSPTSPSを含む環状モデルペプチドを設計し、これらについてNMRによる構造研究を行い、他の研究者により報告されている鎖状ペプチドの結果と比較した。NOE、スピン結合定数、化学シフトの温度依存性、化学シフトのランダムコイル値からのずれを求めた。その結果は2種類の環状化ペプチドの全てのSPTS部分がとっているβ-ターン構造がタイプI型に近いものであり、これが環状ペプチドにおいて大部分を占めることを示した(投稿中)。 プリオン蛋白質(PrP)の構造変化により生じる変異型蛋白質が、クロイツフェルト・ヤコブ病、スクレイピー、牛スポンジ状脳症などの致死性の脳症を引き起こすという仮説が提案され、広く受け入れられている。このPrPのN端末側には8残基PHGGGWGQがあ5回繰り返したタンデムリピートが存在する。この繰り返し単位を1回および2回含むモデルペプチド(線状および環状ペプチド)を作成し、NMR解析を行った。また、NMRデータを用いてプログラムX-PLORによる構造計算を行なった。解析結果は、PrPのタンデムリピートは非常に運動性に富むにもかわらず、部分的には安定な構造を形成していることを示唆した。(投稿準備中)。
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