1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680646
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
東谷 篤志 東北大学, 遺伝生態研究センター, 助教授 (40212162)
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Keywords | meiosis / recombination / check point control / recA / rad51 / dmcL / lim15 / atm |
Research Abstract |
有性生殖を行う生物は、その配偶子形成時に減数分裂を行うことで遺伝的多様性を獲得している。またこの過程では、倍加した姉妹染色体間で高頻度に遺伝子組換えが生じることが知られている。本研究では、線虫を主な実験材料に用いて、減数分裂期の遺伝子組換え機構について分子レベルで明らかにすること、また減数分裂過程の制御機構を明らかにすることを目的とした。なかでも今年度は、細胞周期ならびに減数分裂過程のcheckpoint制御に関与することが近年報告されているヒト遺伝病の一つであるATM(ataxia telangictasia mutated gene)遺伝子と、遺伝子組換えに関与するRecA様遺伝子との線虫におけるそれぞれの相同的遺伝子Ce-atl-1、Ce-rdh-1のcDNA塩基配列の決定を行った。さらにそれら遺伝子の機能を調べる目的で、各dsRNAを野生型の線虫にマイクロインジェクションして、染色体上の遺伝子からの転写産物を抑制し(RNAi:RNA interference)、その影響についてそれぞれ検討した。その結果、Ce-atl-1は細胞増殖に必須の遺伝子であること、ならびにCe-rdh-1は、減数分裂の第一分裂に関与し、RNAiの子孫の卵母細胞では染色体の異常が観察された。今後は、各遺伝子の発現部位を明らかにするとともに、これらの欠損変異体の作成を試みる。
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Research Products
(1 results)