1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680646
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
東谷 篤志 東北大学, 遺伝生態研究センター, 助教授 (40212162)
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Keywords | 減数分裂 / 相同的遺伝子組換え / DNA修復 / 蛋白質リン酸化 / キナーゼ / 放射線感受性 |
Research Abstract |
本年度の成果としては、線虫における減数分裂期の遺伝子組換えに関わるCe-rdh-1(RecA様遺伝子)とCe-mre-11、ならびにその分裂周期の制御に関わるCe-atl-1(ヒトATM関連様遺伝子)、これら遺伝子の発現について、RT-PCRおよびin situ hybridization法を用いて解析し、これらが成虫の生殖腺の減数分裂期の細胞で強く発現することを確認した。またこれら遺伝子の発現抑制をRNAi法により行うことで、機能の解明を試み以下の幾つかの興味深い知見を得た。Ce-atl-1の遺伝子発現を抑制した個体においては、初期発生過程で高頻度に致死となること、ならびに性染色体の不分離の結果である雄(XO)が高頻度に出現することが明らかになり、Ce-atl-1は染色体の分離分配など安定性に関わることが示唆された。またCe-rdh-1の遺伝子発現を抑制した場合、減数分裂細胞において放射線感受性となること、しかしながら体細胞分裂(初期胚)においては感受性に変化がほとんど見られないことが明らかになり、Ce-rdh-1は減数分裂細胞でのDNAの二本鎖切断の組換え修復に必須であることが示唆された。また線虫の全ゲノム配列情報から約100個のprotein kinase様遺伝子を抽出し、現在までに約30個の遺伝子発現を調べ、うち4個が幼虫期では発現がみられず成虫で特異的に発現誘導がかかることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)