1998 Fiscal Year Annual Research Report
向き合うHSPB2遺伝子とαB-クリスタリン遺伝子の組織特異的発現とその調節機構
Project/Area Number |
10680654
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩城 明子 九州大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (30253454)
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Keywords | ストレス蛋白質 / クリスタン |
Research Abstract |
低分子熱ショック蛋白質ファミリーに属するαB-クリスタリン遺伝子とHSPB2遺伝子は959bpを挿んでhead to headで存在している。両遺伝子は心臓と筋肉で共に発現が高いが、一方、水晶体とダリア細胞ではαB-クリスタリンの発現だけが見られる。本研究の目的は、向き合う二つの遺伝子の組織特異的発現とその調節機構を明かにすることにある。今年度はまずマウスにおけるHSPB2とαB-クリスタリン遺伝子の発現の時期と場所を調べた。(1)HSPB2に対する特異抗体を作成した。まず、HSPB2とHisTagとの融合蛋白質を大腸菌で作製し、これを抗原としてウサギに免疫した。次にHisTagとの融合蛋白質を固定したアフィニティカラムを用いて抗体を精製した。さらにWestern blottingなどにより抗体価と特異性の評価を行い、その有用性を確かめた。(2)αB-クリスタリンは筋線維タイプで発現が異なり、赤筋で発現が高いが白筋では低い。マウスの発達段階ごとに種々の筋組織からRNAを調整しNorthern Blottingを行ったところ、HSPB2もαB-クリスタリン同様心臓やひらめ筋などの赤筋で発現が高いことがわかった。また、発達に伴い両遺伝子の発現は共に増加することから、類似の発現調節機構の存在が示唆された。(3)マウスの各臓器におけるHSPB2とαB-クリスタリンmRNAの局在を調べるためにin situハイブリダイゼーションの系を確立した。 以上、研究は計画通り順調に進んでいる。
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