1999 Fiscal Year Annual Research Report
向き合うHSPB2遺伝子とαβ-クリスタリン遺伝子の組織特異的発現とその調節機構
Project/Area Number |
10680654
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩城 明子 九州大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (30253454)
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Keywords | ストレス蛋白質 / クリスタリン |
Research Abstract |
低分子熱ショック蛋白質ファミリーに属するαB-クリスタリン遺伝子とHSPB2遺伝子は959bpを挿んでhead to headで存在している。両遺伝子は心臓と筋肉で共に発現が高いが、一方水晶体とグリア細胞ではαB-クリスタリンの発現だけが見られる。本研究の目的は向き合う二つの遺伝子の組織特異的発現とその調節機構を明かにすることにある。今年度はマウス胎生期における両遺伝子の発現をNortern b1ottingおよびin situ ハイブリダイゼーションにより調べた。両遺伝子とも筋節で発現し分化に伴い発現が増加することがわかり、筋組織においては共通の調節機構が存在する可能性か示唆された。次にHSPB2とαB-クリスタリンの両方を発現している筋芽細胞C2C12を用いて転写調節機構の解析を行った。具体的には、HSPB2遺伝子の5'上流域をCAT遺伝子に連結して作製したDNAおよびその欠失変異体を細胞に導入しCATアッセイを行ってプロモーター・エンハンサー領域を同定した。さらにこの領域が個体レベルでも機能するかどうかトランスジェニックマウスを作成してその働きを調べている。また昨年作成したHSPB2に対する特異抗体を使って筋組織における局在も調べたところ、ミトコンドリアヘの結合を示唆するデータが得られた。さらに培養細胞レべルでもその局在を確認した。現在得られた成果の一部をまとめて投稿中である。以上、研究はほぼ計画通り順調に進んでおり、さらに低分子熱ショック蛋白質の機能解析にまで発展しつつある。
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[Publications] Hamamura,M. et al.: "Differential decreases in c-fos and aldolase C mRNA expression in the rat cerebellum after repeated administration of methamphetamine"Mol. Brain.Res.. 64. 119-131 (1999)
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[Publications] Sasaki,A. et al.: "Two autopsy cases with Pelizaeus-Merzbacher disease phenotype of -adult onset, without mutation of proteolipid protein gene"Acta.Neuropathol.. 99. 7-13 (2000)