1999 Fiscal Year Annual Research Report
中間径フィラメント蛋白質の構造-機能相関とリン酸化による影響
Project/Area Number |
10680674
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
安藤 祥司 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (20193104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷原 るみ 佐賀医科大学, 医学部, 教務員 (20284664)
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Keywords | 中間径フィラメント / 細胞骨格 / リン酸化・脱リン酸化 / 蛋白質工学 / 蛋白質間相互作用 |
Research Abstract |
中間径フィラメントは、細胞骨格の主要成分の一つであり、細胞質全体に広がった蛋白質繊維(直径10nm)のネットワークを形成している。中間径フィラメントを構成する蛋自質は、N末端からヘッドドメイン(HD)、ロッドドメイン、テイルドメインを持つ。このうちロッドドメインは、αへリックスに富む四つのサブドメイン(1A、1B、2A、2B)を含む。これまでの解析からフィラメント形成には、少なくともヘッドおよびロッドドメインが必須であることが示されているが、蛋白質の重合に働くドメイン間相互作用の詳細は不明である。特にへッドドメインはリン酸化・脱リン酸化酵素の標的領域であり、フィラメント構築制御に大きな影響を及ぼすがその具体的役割は不明である。 そこで私達は、大腸菌に発現させた中間径フィラメント蛋白質とその各ドメインを用いて、ドメイン間相互作用を生化学的に解析することにした。中間径フィラメント蛋白質としてはマウスビメンチン、又そのドメインとしてHD、HD-1A、1A-1B、1B、2A-2B、2B、1A-1B-2A-2Bなどを量的に発現、精製した。得られたビメンチンは正常なフィラメントを形成することを電顕で確認した。ドメイン間相互作用の解析には、表面プラズモン共鳴センサーを用いた。その結果、HDと2Bの間に濃度に依存した相互作用が認められた。そして2Bの両末端を欠損したフラグメントを用いた解析から、2BのC末端が特にHDとの結合に重要であるという結果を得た。さらに、HDをAキナーゼでリン酸化したところ、2Bとの結合がほとんど失われることがわかった。 現在、ビメンチンのフィラメント形成に及ぼす各フラグメントの影響も解析中である。また、ビメンチンとは性質の異なる中間径フィラメント蛋白質であるケラチン8と18についても、そのHDと相互作用する領域を解析中である。
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[Publications] S.Ando et.al.: "Phosphorylation of synthetic peptides containing proline homologs by cdc2 kinase or cdk5"Peptide Science - Present and Future. 364-366 (1999)
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[Publications] R.Gohara et.al.: "Expression and the role of the α-helical domains of subunit proteins in assembly of the intermediate filaments"Peptide Science 1999. 255-258 (2000)
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[Publications] 安藤祥司、稲垣昌樹: "プロテインキナーゼドメインとリン酸化特異性"実験医学. 18・1. 7-12 (2000)