1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680678
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50197745)
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Keywords | myc / 細胞増殖 / がん / RCC1 / N-myc / ras |
Research Abstract |
mycによる基質非依存的な細胞増殖機構の解明のため、軟寒天培地中での増殖が完全にMyc高発現依存的におこるがん細胞を確立した。この細胞は活性化rasと誘導可能なプロモーター下で発現するN-mycとにより、がん化された繊維芽細胞である。これらの細胞において細胞増殖に必須の因子である細胞周期調節遺伝子RCC1の発現を調べたところ、以下のことがわかった。 1) N-mycと活性化rasによりがん化すると、それにともなってRCC1の発現量が上昇した。 2) がん細胞中のN-mycの発現を抑えるとRCC1の発現が滅少した。 3) N-MycはRCC1遺伝子中のCACGTG配列に直接結合した。 4) がん細胞中で、N-mycの発現増加によりRCC1レポーター遺伝子からの遺伝子発現が上昇 した。このN-mycによる発現上昇はRCC1遺伝子中のCACGTG配列依存的であった。 以上のことから上記がん細胞中でN-MyCがRCC1の発現を直接上昇することがわかった。N-MycによるRCCl発現上昇は軟寒天培地中でのコロニー形成能と良く相関したので、N-Mycのもつ転写活性化能が基質非依存的な細胞増殖と関係していることが示唆された。以上の結果を雑誌に報告した(Tsuneoka and Mekada 1998J.Biochem.)。 さらに解析を進めた結果、mycと活性化rasによるがん化が細胞増殖のメカニズムそのものを大きく変化させることがわかってきた。そこでmycと活性化ras活性二つの遺伝子の活性を独立に人為的にコントロールできるがん細胞を確立した。現在この細胞を用いてがん化にともなう現象を詳しく解析している。
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Research Products
(1 results)