2001 Fiscal Year Annual Research Report
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10680688
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Research Institution | NARA INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
高橋 淑子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (10183857)
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Keywords | 文節 / 体節 / 間充織 / 上皮 / Rho / 細胞内骨格 / Rac1 / CDC42 |
Research Abstract |
本研究においては、脊椎動物の分節構造の成立機構を解明することを目標にして、分節現象にみられる組織形態の変化を支えるしくみの解析をおこなった。体幹部における分節パターンはすべて初期体節中胚葉の分節化に依存する。一続きの未分節体節中胚葉が、その前方からひとつずつくびきれる際、もとは間充織様の細胞が、次分節部位において特異的に上皮化をおこす。その結果として分節後の体節は、ひとつひとつが上皮に囲まれた球状を呈する。 このような特徴的な細胞の間充織-上皮化転換を調節する機構を探るために、培養細胞を用いた実験系で詳細に解析が進んでいる低分子量Gタンパク質の分節形成における役割を調べた。Rhoファミリーに代表される低分子量Gタンパク質は、細胞内骨格の構築に必須であり、細胞や組織の形態変化や細胞接着に重要な役割を担っていることが知られている。体節分節においても、これらのRhoファミリータンパク質が何らかのかたちで関わっていることが期待された。そこでRhoファミリーを構成する、Rho、Rac1及びCDC42タンパク質の、野生型、ドミナントネガテイブ型、ドミナントアクテイブ型のそれぞれについて、ニワトリ初期胚体節中胚葉内にエレクトロポレーションを用いて遺伝子を導入し発現させた。その結果、Rac1のドミナントネガテイヴ型が特異的に、分節部位における細胞の上皮化を阻害した。これまでRhoファミリーの胚内における役割はほとんどわかっていなかったが、本研究において、Rhoファミリーのメンバーが胚発生の過程において組織特異的な役割を担っている可能性が初めて示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sudo H., Takahashi Y., Tonegawa A., Arase Y., Aoyama H., Mizutani-Koseki Y., Moriya H., Wilting J., Christ B., Koseki H.: "Inductive signals from the somatopleure mediated by bone morphogenetic proteins are essential for the formation of the stemal component of avian ribs"Dev.Biol.. 232. 284-300 (2001)
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[Publications] Takahashi Y., Osumi N., Patel N.: "Body Patterning"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 98. 12338-12339 (2001)