1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680694
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
秋丸 裕司 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 研究員 (70241247)
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Keywords | ショウジョウバエ / Myb / 細胞周期 / 転写因子 / 複眼 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
ショウジョウバエ複眼成虫原基で特異的に働くエンハンサーを利用して、細胞周期を調節する転写因子D-mybのc末端(転写制御領域)を欠損した変異体D-mybを複眼で強制発現させたトランスジェニック個体は、光受容細胞、沈着細胞の欠損に伴う個眼の融合、剛毛の欠損といったruogh eye表現型を示す。D-mybのシグナル経路に関わる遺伝子を遺伝学的に単離するため、この複眼異常の表現型を増強させたり、或は、正常に戻したりする変異体を、我々が所有するX染色体の約700系統の劣性致死変異体や常染色体の約7割をカバーする欠失変異体プールの中からスクリーニングした。その結果、X染色体劣性致死変異体プールから、l系統のerlhancer、また、常染色体の欠失変異体から、3系統のsuppressorを得た。欠失変異体は数百キロに及ぶ染色体異常を有するため、複数の遺伝子の変異が生じている。そこで、常染色体の3領域に対応する突然変異体を単離するため、それぞれの領域内に存在するPelement挿入変異体が、変異体D-myb個体の複眼異常を抑制するかどうか調べた。その結果、1つは細胞周期においてG2-M transitionに機能している調節囚子string(CDC25のDrosophilaホモローグ、phosphataseをコード)であった。変異体D-mybは、C末端の制御領域を欠いているため細胞周期が異常に進行していることが考えられる。G2-M transitionに異常があるstring変異体が、過剰な細胞周期を引き起こす変異体D-mybの活性を抑制したものと考えられる。もう1つは、転写の抑制因子として機能するtrumtrack(ttk:BTB/POZdomainを有する)であった。D-mybとttkの関係、及びttkの細胞周期への関与については、全く明らかではないので、D-myb.ttk変異体を用い、遺伝学的解析から、これらの関係を明らかにしていきたい。残りの1つは、未知の変異体であった。この変異体の遺伝子を現在、クローニング中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hou, D.-X.: "Trans-activation by the Drosophila myb gene product requires a Drosophila homologue of CBP" FEBS Lett.413(1). 60-64 (1997)
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[Publications] Akimaru, H.: "Drosophila CBP is required for dorsal-dependent twist gene expression" Nature Genetics. 17(2). 211-214 (1997)
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[Publications] Akimaru,H.: "Drosophila CBP is a co-activator of cubitus interruptus in hedgehog signalling" Nature. 386. 735-738 (1997)
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[Publications] Dai, P.: "CBP as a Transcriptional Coactivator of c-Myb" Genes & Dev.10. 528-540 (1996)