1999 Fiscal Year Annual Research Report
視・運動性眼球運動関連領域への視覚性入力の形態学的研究
Project/Area Number |
10680700
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
車田 正男 新潟大学, 医学部, 教授 (00018699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 嘉恵子 新潟大学, 医学部, 助手 (90018698)
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Keywords | 眼球運動 / 視運動性反応 / 視蓋前域 / 視索核 / 副視索核 / シナプス結合 / GABA免疫電顕 / 線維連絡 |
Research Abstract |
(I)視運動性反応(OKR)を調節するとされる視蓋前域視索核(NOT)、副視索核(AON)は、網膜と大脳皮質視覚域から視覚入力を受け、眼球運動関連領域に下行性投射することが知られている。さらに、NOT/AONから視覚・運動連関領域である上丘への投射も報告されている。ネコのNOT/AONからこれら諸領域への上行性、下行性投射ニューロンの詳細を、トレーサー法(HRP)・電顕・免疫組織化学的方法で調査した。主な結果は、NOT/AONは共に上丘へ上行性投射するが、下行性投射はNOT、AONの背側終止核(DTN)からのものが主で、AONの他の核、つまり外側終止核(LTN)および内側終止核(MTN)からの下行性投射は認められなかった。 (II)ネコの視覚連合野・外側シルビウス上溝皮質(LS)からNOT/AONへの投射を免疫電顕的に分析することにより、NOT/AONにおける視覚情報処理過程を明らかにしようと試みた。LSからの投射様式に関してはNOT/AON間での差異はなく、小型終末で、GABA陰性の通常樹状突起との間で非対称型シナプス結合を形成していた。また、この皮質終末と網膜終末が同一の樹状突起に終止することも稀ではなかった。このことから、NOT/AONニューロンは網膜からの直接投射を受けるばかりでなく、運動処理に関わることで知られているLS経由で膝状体・有線皮質回路からの影響をも同時に受けることが形態学的に明らかにされ、このことは、これまで「OKRは皮質入力に関係なく作動する」との考えに対し、皮質からの入力は網膜入力と共に、もしくは単独に、OKRに影響を与える可能性があることを形態学的に示したものと恩われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Meguro, R., Ohishi, H., Hoshino, K., Hicks, T.P. and Norita, M.: "mGluR2/3-immunoreactivity in the developing rat cerebellar cortex"J. Comp. Neurol.. 410. 243-255 (1999)
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[Publications] Shintani, T., Hoshino, K., Meguro, R., Kaiya, T. and Norita, M.: "A light and electron microscopic analysis of the convergent retina and visual cortical projections to the nucleus of the optic tract (NOT) in the pigmented rat"Neurobiology. (In press). (2000)
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[Publications] Hoshino, K., Katoh, Y.Y., Wanzhu, Bai, Kaiya, T. and Norita, M.: "Distribution of terminals from pedunculopontine tegmental nucleus and synoptic organization in lateralis medialis-suprageniculate nucleus of cat's thalamus : anterograde tracing and immunohistochemical studies and quantitative analysis"Visual Neuroscience. (In press). (2000)