1998 Fiscal Year Annual Research Report
^<13>C-磁気共鳴スペクトロスコピーによる脳疾患モデル動物の脳内アミノ酸代謝の研究
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10680724
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
金松 知幸 創価大学, 生命科学研究所, 助教授 (30104201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 明 創価大学, 生命科学研究所, 助教授 (60236221)
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Keywords | ^<13>C / 磁気共鳴スペクトロスコピー / 反復電気痙攣刺激 / グルタミン酸 / グルタミン / ガンマ-アミノ酪酸(GABA) / パーキンソン病 |
Research Abstract |
鬱病や鬱病を伴うパーキンソン病患者への反復電気痙攣処置(rECS)が治療上有効であることが知られている。しかしながら、rECSが治療効果を示す機序については、ほとんど明らかにされそいないことから、rECSがラット脳内のブドウ糖、アミノ酸代謝に与える影響について[1-^<13>C]-ブドウ糖投与により検討をおこなった。ラット(Wistar、雄、150-200g)の両側耳にイヤークリップを装着し、35mA,0.5secの通電を1日1回、6日間続けて行ったものをrECS群(12匹)とし、1日1回イヤークリップ装着のみをし通電を行わなかったものをSham群(12匹)とした.両群とも、最後(6日目)の処置後、24時間後に尾静脈より、1g/kgの[1-^<13>C]-ブドウ糖を投与し、7.5、15、30分後(各4匹)にラット頭部のみにマイクロウエーブを照射し脳組織を瞬時(1.2 sec)に固定した。脳外套部(海馬を含む)よりアミノ酸画分を抽出し、分析用NMR(JEOLEX-400)で測定した。 脳内^<13>C-ブドウ糖量及び^<13>C-乳酸量をSham群とrECS群で比較すると、rECS群では有意にブドウ糖量が増加していたが、乳酸量には変化がく、rECSによって脳組織の解糖系が抑制されているものと思われた。グルタミン酸の3位及び2位のrECS/Sham(E/S)値はそれぞれ0.87で、GABAの3、4位のE/S値はそれぞれ、約0.70であり、グルタミン酸、GABAの合成経速度がrECSによって遅くなっていることが示された。一方、アストログリアで主に合成されているグルタミンへの^<13>Cの組込みは、4、3、2位ともに経時変化のどの時点でもrECS群で低く(E/S値は0.83〜0.86)、グリアでのグルタミン合成が明らかに抑制されていることが示された。このように、アストログリアでのグルタミン合成の減少に伴ないグルタミン酸、GABA合成の抑制が生じることが、rECSが示す鬱病治療効果の背景の一つと思われる。
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Research Products
(1 results)