1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の成長円錐に局在するGAP-43の発現機構と機能解明
Project/Area Number |
10680728
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Research Institution | Fukuok University |
Principal Investigator |
高見 昇 福岡大学, 医学部・RI施設, 助手 (80154904)
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Keywords | GAP-43 / シナプス小胞 / p115 / TAP / two-hybrid system |
Research Abstract |
神経突起の成長円錐及び前シナプス膜に局在する蛋白であるGAP-43の機能に関しては不明な点が多いが、昨年度行った検討ではGAP-43が輸送小胞の標的膜との接着過程に関与すると考えられている蛋白質である小胞輸送因子p115/TAPと相互作用していることを見いだした。本蛋白質に関してはそのリン酸化状態を詳細に検討したところ、細胞分画によりリン酸化されたものは細胞質画分に脱リン酸化されたものは主に膜画分に回収され、さらにこの関係はリン酸化されるセリン残基に変異を導入した結果からも確認された。従って、p115はリン酸化状態によりゴルジ膜あるいは形質膜との相互作用を制御するとともに小胞輸送の調節に関与すると考えられる。他方、さらにGAP-43と相互作用している蛋白質を検索する目的で酵母のtwo-hybrid systemによるスクリ-ニングを行った。BaitとしてラットGAP-43を、preyにラット脳cDNAライブラリーを用いたところ、本手法においてもcalmodulinがGAP-43と相互作用していることが確認され、既にわれわれが報告しているin vitroの結果と一致した。また同時に数個のpositive cloneとしてmyosin軽鎖が見出されretransformationによってもpositiveであったことから、GAP-43は前シナプス膜近傍の細胞骨格と相互作用していることが考えられる。これに関してはtwo-hybrid system以外の手法による確認が必要であり、これ以外のpositive cloneを含めて目下解析を行っているところである。
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