1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリックス・ループ・ヘリックス転写因子による神経発生における制御機構の解析
Project/Area Number |
10680731
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
大迫 俊二 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経細胞生物学研究部門, 研究員(主任) (50152103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 芳樹 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経細胞生物学研究部門, 主事研究員 (50250204)
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Keywords | 神経発生 / ヘリックス・ループ・ヘリックス / 転写因子 / アクティベーター / C2HC型Znフィンガー / 中枢神経系 / dNZF-1 / Gal4 / UAS |
Research Abstract |
神経発生を制御する分子機構を明らかにするため、ヘリックス・ループ・ヘリックス(HLH)転写因子を鍵分子として出発して研究を進めている。Xenopusにおいて、C2HCタイプZnフィンガー転写因子X-MyT1が神経発生を制御するHLH転写因子とNotch/Delta信号伝達系に関与する可能性が示唆されたので、その分野でもっとも研究が進んでいるショウジョウバエにおいて、C2HCタイプZnフィンガー転写因子が果たす機能的役割を調べるために、MyT/NZFホモローグのクローニングを試み、dNZF-1を同定した。dNZF-1タンパクは1220個のアミノ酸をコードし、脊椎動物のNZF/MyT farmilyのタンパクがいずれも6個のC2HCZn fingerを持つのに対し、C.e-MyT1と同様に2個のC2HC Zn fingerのみを有していた。また、dNZF-1はC2HC Zn finger以外の部分では他のタンパクと相同性を示さなかった。dNZF-1タンパクは[AAAGTTT]_2配列に結合でき、その配列に依存して転写を活性化するアクティベーターとして機能することが判った。in situ hybridization法によってdNZF-1 mRNAは、胚発生後期の中枢神経系のサブセットの細胞において発現が見られることが判った。dNZP-1のdominant negative formをGa14/UAS系を使って胚発生中に発現させると、致死になることから、dNZF-1の神経発生分化において重要な役割を果たすものと考えられた。今後、dNZF-1の変異体の解析、dNZF-1の異所的発現の効果などを調べ、dNZF-1のin vivoにおける機能を明らかにしたい。
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