1999 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病原因遺伝子プレセニリンがアミロイド前駆体タンパク代謝に及ぼす影響
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10680733
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
亀谷 富由樹 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (70186013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 啓 大阪市立大学, 医学部・老年医学研究部門・脳神経系分野, 教授 (10159189)
田中 喜久子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 技術部研究員
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイド / Aβ / プレセニリン |
Research Abstract |
<目的>アルツハイマー病(AD)原因遺伝子産物プレセニリン1(PS1)はアミロイド前駆体タンパク質(APP)代謝に関与し、アミロイド線維を形成するAβの産生を制御していることが知られている。そこで本研究ではヒトPS1および突然変異型PS1を安定的に発現するPC12D細胞を用いて、PS1とAPPC末断片の細胞内の分布、量的な関係等を解析し、PS1がAPPC末断片の代謝にどのように関与するのか検討した。<方法>(1)ヒトPS1および突然変異PS1(A260V)を安定的に発現するPC12D細胞を0.25M sucrose溶液でホモゲナイズした後、1,000×gの遠心上清をさらに遠心し、5,000×g沈殿画分(P2a)、8,000×g沈殿画分(P2b)、100,000×g沈殿画分(P3)に分画した。(2)それぞれの画分に含まれるAPPおよびAPPC末断片の存在量、PS1の存在量等を、電気泳動、イムノブロッティング等を用いて解析した。(3)細胞内でのγ分泌酵素活性(Aβ40およびAβ42)をドットブロットにより測定した。<結果>PS1およびPS1A260Vを安定的に発現するPC12D細胞および野生型PC12D細胞において以下のことが明らかとなった。(1)αおよびβ分泌酵素による切断活性との間の関連性は見出せなかった。(2)突然変異の有無での差は見られなかった。(3)各膜画分におけるAPPCTFの量比を野生型のものと比べると、P2a画分に含まれるAPPCTFの量が有意に増加していた。(4)野生型に比べると、Aβ42活性の増加が見られた。<考察>導入したPS1は突然変異の有無にかかわらずPC12D細胞内でAPPCTFの分布を変化させることから、PS1はAPPCTFの輸送を担い、その輸送に障害が生じるとAβ42活性が上昇すると推定された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fuyuki Kametani: "Semiquantitative analysis of amyloid beta peptides using a comination of immunoprecipitation and MALDI/TOF mass spectrometry"Analytical Biochemistry. 275. 262-265 (1999)
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[Publications] Fuyuki Kametani: "Alzheimer's amyloid precursor protein and its derivatives in PC12D cells transfected presenilin with and without a mutation"Symposium on Frontiers of the Mechanism of Memory and Dementia. (in press). (2000)
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[Publications] Kei Maruyama: "Molecular interactions between presenilin and calpain : Inhibition of m-calpain pretease activity by presenilin-1, 2 and cleavage of presenilin-1 by m-, mu-calpain"International Journal of Molecular Medicine. 5. 269-273 (2000)