2000 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病原因遺伝子プレセニリンがアミロイド前駆体タンパクに及ぼす影響
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10680733
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, Tokyo Institute of Psychiatry |
Principal Investigator |
亀谷 富由樹 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (70186013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 喜久子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員
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Keywords | Alzheimer / amyloid / presenilin / Abeta / APP |
Research Abstract |
ヒトPS1および突然変異PS1を安定的に発現するPC12D細胞をRIPA溶液でホモゲナイズあるいはショ糖溶液を用いて膜画分を、5,000xg沈殿(P2a画分)、8,000xg沈殿(P2b画分)、100,000xg沈殿(P3画分)に分画した。P2a画分にはMAO、Rab8が含まれ、P3画分にはsynaptophysin、Bip、golgi58、acid phosphataseが主として分布し、ミトコンドリア、分泌顆粒は比重の重いP2a画分に、小胞体、ゴルジ体、リソソーム、シナプトソーム等は比重の軽いP3画分に存在していた。安定的に導入したヒトのプレセニリン1(PS1)、ヒト突然変異プレセニリン(PS1A260V)、および、この細胞が本来もっているラットPS1を免疫沈降し、電気泳動およびイムノブロッティング等で解析した。未導入細胞のラット由来PS1のN末断片はP2aおよびP3に回収され、分布の割合は、P2a画分42%、P2b画分16%、P3画分42%であった。一方、ヒトPS1導入細胞のヒトPS1およびヒト突然変異PS1のN末断片は比重の重い膜画分に主として回収され、それら分布は、どちらもほぼP2a画分60%、P2b画分20%、P3画分20%であった。また、これらのヒトPs1導入細胞中の全PS1N断片量(ラットおよびヒト)の50-70%がP2a画分に存在し、未導入細胞の42%と比べて明らかに増加していた。これらのことから導入したPS1においては突然変異の有無の差はみられず、ラット細胞にとっては共に変異PS1と作用したと考えられた。すでに報告したようにヒトPS1およびヒト突然変異PS1を導入した細胞のP2a画分ではともにAPPのC末断片の存在割合も増加し、さらに、Aβ42の割合がヒトPS1およびヒト突然変異PS1を導入した細胞で有意に増加していたことも、このことを支持している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kametani F, et al: "Human wild presenilin-1 mimics the effect of mutant presenilin-1on the processing of Alzheimer's amyloid precursor protein (APP) in PC12D cells"J.Neurol.Sci. (in press). (2001)
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[Publications] Sekijima Y, et al: "Serum transthyretin monomer in patients with familial amyloid polyneuropathy"Amyloid : Int.J.Exp.Clin.Invest.. (in press). (2001)