1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の生存、突起伸展を促進する新規抗生物質ラディシコール
Project/Area Number |
10680735
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐野 護 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60090429)
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Keywords | Radicicol / Neurotrophin / Dorsal root ganglion / apoptosis |
Research Abstract |
1、ニワトリ胚後根神経節より分離培養した知覚神経細胞を、ニューロトロフィン(NGF,BDNF,NT-3)の存在下で培養し、抗ガン剤に用いられるビンクリスチン、シスプラチン、タキソールなどを添加すると、生存出来ない。しかし20nMのラディシコールを共存させると、抗ガン剤の毒性が見られず、神経突起を伸ばし、神経細胞の生存が可能であった。 2、同神経細胞に対する生存維持作用について、TUNEL法により検定したところ、これら抗ガン剤は、知覚神経細胞にアポトシスを起こさせること、そしてラディシコールは、それを効果的に抑制する事実が示された。 3、ビンクリスチン0.8ng/ml、シスプラチン8pg/ml、タキソール300pg/mlでは、それぞれ、18時間で細胞がほぼ完全に死滅するが、20nMのラディシコールはそれを完全に抑制した。 4、これらの抗ガン剤は、副作用として末梢神経の障害を生ずることが知られている。ラディシコールは、その効果的な副作用防止薬としての可能性が高い。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sano et al.: "Radicicol potentiates Neurotrophin-mediated Nourie Outgrowth and survival of cultured sensory neurons from chideembrys"J.Neurochem.. 72. 2256-2263 (1999)
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[Publications] Sakuma et al.: "The adaptive response of MyoD family proteins in overloaded,regenerating and denervated rat muscles"Biochim.Biophys,Acta. 1428. 284-292 (1999)