1999 Fiscal Year Annual Research Report
リズムミュータントマウスを用いた体内時計2振動体モデルの分子生物学的検証
Project/Area Number |
10680737
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安倍 博 北海道大学, 医学部, 講師 (80201896)
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Keywords | サーカディアンリズム / CS系マウス / 視交叉上核 / 大脳皮質 / 時計遺伝子 / in situ hybridization / 振動体 / 体内時計 |
Research Abstract |
CS系マウスは,恒常暗条件(DD)下で行動のフリーランリズムが2分割するリズムスプリッティングを自発的に示す.このことからCS系は,体内時計の2振動体間のカップリングが弱いミュータントである可能性が考えられている.前年度において,CS系のスプリッティングが体内時計である視交叉上核(SCN)の時計遺伝子(mPer1,BMAL1,Clock)発現リズムとは関連がないことを確かめた.そこで,今年度は,SCN以外の脳部位における時計遺伝子リズムが,スプリッティングリズムに関与するかを調べるために,CS系スプリッティング時の大脳皮質(cingulate cortexとpiriform cortex)における時計遺伝子(mPer1,BMAL1,Clock)の発現リズムを調べ,行動リズムパターンと比較した. DDでCS系の回転輪活動のフリーランリズムを記録し,リズムスプリッティングすることを確かめる.時計遺伝子発現は行動リズムの6位相でマウスを断頭し,大脳皮質におけるmPer1,BMAL1,Clock mRNA量をin situ hybridization法により計測した.その結果,大脳皮質の2領域で,これらの時計遺伝子は発現していたが,BMAL1とClockにはリズムがなかった.mPer1 mRNAは,サーカディアンリズムを示し,そのパターンは行動リズムの2つの活動期にそれぞれのピークを持つ二峰性であった.これらの結果から,CS系の行動リズム異常は,SCN振動体のmPer1,BMAL1,Clock遺伝子とは関係がなく,むしろSCN振動体からのリズム出力系に原因がある可能性が考えられた.一つの仮説として,SCNの主振動体とその下位に存在する従属振動体との間のカップリング,または従属振動体間のカップリング関係に異常がある可能性が考えられた.
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Abe, H.: "Functional diversities of two activity components of circadian rhythm in genetical splitting mice (CS strain)"Journal of Comparative Physiology A. 184. 243-251 (1999)
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[Publications] Abe, H.: "Phase-dependent induction by light of rat Clock gene expression in the suprachiasmatic nucleus"Molecular Brain Research. 66. 104-110 (1999)
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[Publications] 安倍 博: "体内時計の分子機構"自立神経. (印刷中). (2000)
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[Publications] 安倍 博: "神経生理からみた概日リズム-サーカディアンリズムと体内時計"循環器科. 46. 353-362 (1999)
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[Publications] 安倍 博: "時を刻む遺伝子-時計遺伝子研究の最前線"脳の科学. 21巻10号. 1135-1139 (1999)
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[Publications] 安倍 博: "もう目覚ましはいらない?-体内の目覚まし時計ーなぜ起きたい時刻に起きられるのか?"遺伝. 53巻6号. 6-7 (1999)
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[Publications] Yu, W.: "Characterization of three splice variants and genomic organization of the mouse BMAL1 gene"Biochemical and Biophysical Research Communications. 260. 760-767 (1999)
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[Publications] Namihira, M.: "Daily variation and light responsiveness of mammalian clock gene, Clock and BMAL1, transcripts in the pineal body and different areas of brain in rats"Neuroscience Letters. 267. 69-72 (1999)
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[Publications] Namihira, M.: "Circadian rhythms and light responsiveness of mammalian clock gene, Clock and BMAL1, transcripts in the rat retina"Neuroscience Letters. 271. 1-4 (1999)