1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイクログリアが分泌する神経細胞保護因子の分離精製と特性の決定
Project/Area Number |
10680745
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田中 潤也 愛媛大学, 医学部, 助教授 (70217040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 洋司 愛媛大学, 医学部, 助手 (20226567)
前田 信治 愛媛大学, 医学部, 教授 (50036464)
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Keywords | マイクログリア / アストロサイト / 神経細胞 / アポトーシス / 細胞死抑制 |
Research Abstract |
マイクログリア、アストロサイトの神経細胞保護機構の機序について以下の事項について明らかにした。 1) マイクログリアの神経細胞保護作用 脳の発生期あるいは脳血管障害や神経変性疾患の際には、神経細胞のアポトーシスが起こり、マイクログリアの活性化がみられると報告されている。しかし活性化したマイクログリアが神経細胞死を誘導しているのか、阻止しているのかは、未だ明らかではない。我々は、一酸化窒素(NO)供与体であるニトロプルシッドナトリウム(SNP)を一次培養大脳皮質神経細胞に負荷することにより、アポトーシス様の神経細胞死を誘導できることを見い出した。この系を用いて、マイクログリアがNOにより惹起される神経細胞死にどのように関わっているのかを検討した。その結果、SNP負荷前にマイクログリアを共培養しておくと、SNPによる神経細胞死を完全に抑止できることを見い出した。また、SNP負荷後にマイクログリアの培養上清を添加しても神経細胞死を抑制できたことから、マイクログリアの培養上清はNO消去以外の方法で神経細胞保護効果を発揮すると考えられた。 2) アストロサイトの神経細胞死抑止効果 活性酸素を神経細胞に負荷したときのアストロサイトの反応を観察した。活性酸素類を負荷する目的で、SNP、SIN-1、または硫酸第一鉄を一過性に投与すると、神経細胞の単独培養では、20時間以内にアポトーシス様の細胞死をきたすが、アストロサイトと共培養しておくと活性酸素による神経細胞死はほぼ完全に阻止された。髄膜由来線維芽細胞にはこのような効果は認められなかった。アストロサイト由来の細胞外マトリックスは、培養上清より強力な神経細胞保護効果を示し、ラミニンとフィブロネクチンを含んでいた。精製した両蛋白質にも強い神経細胞保護効果が認められた。以上の結果は、アストロサイトが、主に細胞外マトリックス蛋白質分泌を介して神経細胞を保護することを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuko Toku,Junya Tanaka,et al.: "Microglial cells prevent nitric oxide-induced neuronal apoptosis in vitro." Journal of Neuroscience Research. 53. 415-425 (1998)
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[Publications] Tong-Chun Wen,Junya Tanaka et al: "Interleukin 3 prevents delayed neuronal death in the hippocampal CA1 field" Journal of Experimental Medicine. 188. 635-649 (1998)
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[Publications] Junya Tanaka,Kazuko Toku et al.: "Induction of resting microglia in culture medium devoid of glycine and serine" Glia. 24. 198-215 (1998)
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[Publications] Lihua Yang,Junya Tanaka et al.: "Astrocytes modulate nitric oxide production by microglial cells through secretion of serine and glycine" Biochemical and Biophysical Research Communication. 251. 277-282 (1998)
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[Publications] Satoko Sudo,Junya Tanaka et al.: "Neurons induce the activation of microglial cells in vitro." Experimental Neurology. 154. 499-510 (1998)
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[Publications] Keiji Igase,Junya Tanaka et al.: "An 18-mer peptide fragment of prosaposin ameliorates place navigation disability,cortical infarction,and retrograde thalamic degeneration in rats with focal cerebral ischemia." Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism. in press.