1998 Fiscal Year Annual Research Report
GFPによるステロイドホルモンレセプターの細胞内局在のリアルタイムでの可視化
Project/Area Number |
10680748
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
西 真弓 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40295639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 規之 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50239662)
小澤 一史 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60169290)
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Keywords | ステロイドホルモンレセプター / 転写因子 / GFP / 融合タンパク / リアルタイムイメージング / 核移行 / CCDカメラ / 初代神経培養細胞 |
Research Abstract |
平成10年度においては、グルココルチコイドレセプター(GR)あるいはミネラルコルチコイドレセプター(MR)とGFPとの融合蛋白をCOS細胞、初代海馬神経培養細胞ならびに初代グリア培養細胞に発現させ、リアルタイムで生細胞内における挙動を追跡する系を確立した。アゴニストのデキサメサゾン、種々の栄養因子、細胞骨格系を破壊するコルヒチンなどの、レセプターの細胞内局在変化に及ぼす影響を調べた。GFP-GRはデキサメサゾン非存在下では主として細胞質内に局在したが、デキサメサゾン100nMの添加により速やかに細胞質から核内へ移行し、約30分で完全に核内に局在した。移行速度はアゴニスト濃度に依存した。レセプターのリン酸化に影響を及ぼすフォルスコリンやBDNFなどはそれら単独ではレセプターの細胞内局在には影響を及ぼさなかった。コルヒチンは核への移行に有意な影響を示さなかった。またこれらの現象に関して、細胞間における有意な差は認められなかった。これらの成果は日本神経科学会、米国神経科学会、アジア太平洋細胞生物学会等で発表し、Europ.J.Neurosci.に発表予定である。次年度は、MRとGRの共通アゴニストであるコルチコステロンに対して、GFP-MRおよびGFP-GRが神経細胞およびグリア細胞内においてどのような挙動の相違を示すのかをリアルタイムで観察する。さらに、これらレセプターと共役因子のp300やSRC-1の蛋白ー蛋白相互作用を追跡するために、それぞれ異なる色の蛍光を発する改変型GFPのCFPおよびYFPとの融合蛋白を作成し、FRET(fluorescent resonance nenergy transfer)を用いて解析していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mayumi Nishi: "Real-time imaging of glucocorticoid receptor dynamics in living neurons and glial cells in comparison with non-neural cells." European J.Neurosci.(In press).
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[Publications] Mayumi Nishi: "Plasticity of 5-HT1A reeptor of rat hisppocampal cultured cells in response to agonist and antagonist." SYNAPSE. 31. 186-195 (1999)
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[Publications] Mitsuhiro Kawata: "Steroid hormones and their receptors in the brain." J.Steroid Biochem.Molec.Biolo.65. 273-280 (1998)
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[Publications] 河田光博: "グルココルチコイドとミネラルコルチコイドレセプターの脳内分布" 神経研究の進歩. 42. 566-576 (1998)