1999 Fiscal Year Annual Research Report
子宮外手術を用いたマウス胎仔への遺伝子導入による脳形成の機序の解析
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10680752
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
川野 仁 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20161341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 恒成 奈良先端科学技術大学院大学, 助手 (90206946)
川村 光毅 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40048286)
林 しん治 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (20076996)
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Keywords | 子宮外手術 / マウス / 発生 / 神経接着分子 / アンチセンスDNA / L1 / TAG-1 / プロテオグリカン |
Research Abstract |
近年の遺伝子工学の進歩により、これまで不明な点の多かった脳の形成機序も次第に明らかにされつつある。しかしほ乳類の脳の発生に関しては、胎仔への外科的アプローチが容易でないため、受精卵レベルの遺伝子操作や組織培養に頼らざるをえない状況である。この問題を解決するため、われわれは子宮外手術法を用いてマウス胎仔の脳内に遺伝子を直接導入することを考えた。まず、脳の形態形成過程における各種分子の局在を免疫組織化学によりマウスおよびラット胎仔を用いて調べ、中脳ドーパミンニューロンの移動に神経接着分子L1と脳特異的コンドロイチン硫酸プロテオグリカンであるフォスファカンの相互作用が関係すること(Ohyama,Kawano,Kawamuraら、1998)、また転写調節因子Pax-6を欠損する突然変異ラットを用いてPax-6が大脳新皮質の神経路形成(Kawano,Takeuchi,Kawamuraら、1999)とニューロンの分化・移動(Fukuda,Kawano,Kawamuraら、2000)に重要な働きをすることを明らかにした。 これらの観察結果を基に、本研究では、子宮外手術法とそれに改良を加えた子宮内手術法を用いて、胎生12〜14日のマウス脳室内にアンチセンスDNAを微量注入し、数日間母体内で生育することに成功した。また、最終的にはLacZ遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを脳室内に注入し、それを取り込んだニューロンの移動経路を追跡するのに成功した。以上の結果は、今後特定のDNAを組み込んだウイルスベクターを導入し、脳の発生過程における各種遺伝子の機能を特定する実験を行うための重要な基礎となる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ohyama K. et al.: "Coordinate expression of L1 and 6B4 proteoglycan correlated with the migration of mesencephalic dopaminergic neurons in mice"Dev. Brain Res.. 107. 219-226 (1998)
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[Publications] Yamamoto A. et al.: "Deficiency in protein L-isoaspartyl methyltransferase results in a fetal"J. Neurosci.. 18. 2063-2074 (1998)
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[Publications] Kawano H. et al.: "Pax-6 is reqiured for the thalamocortical pathway formation in fetal rats"J. Comp. Neurol.. 408. 147-160 (1999)
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[Publications] Horie H. et al.: "Galectin-1 regulates initial axonal growth in peripheral nerve after axotomy"J. Neurosci.. 19. 9964-9974 (1999)
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[Publications] Fukuda T et al.: "Histogenesis of the cerebral cortex in rat fetuses with a mutation in the Pax-6 gene"Dev. Brain Res.. (in press). (2000)
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[Publications] 川野仁、他: "視床皮質路形成の分子メカニズム-リーラーマウスと小眼球ラットを用いた解析-"蛋白質核酸酵素. 45. 279-285 (2000)
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[Publications] Kawamura K. et al.: "Keio University Symposium for Life Science and Medicine, Vol. 2. Neural Development"Springer-Verlag, Tokyo. 10 (1999)
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[Publications] 川野仁、他: "共立出版"脳と神経・分子生物学入門. 8 (1999)