2000 Fiscal Year Annual Research Report
運動前野と前頭前野の冷却による小脳外側核ニューロンの発射活動の変化
Project/Area Number |
10680763
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
陣内 皓之祐 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80127026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊地知 義親 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50106829)
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Keywords | 小脳外側核 / 前頭前野 / 運動前野 / 冷却効果 / 単一ニューロン活動 / 視覚応答 / サル |
Research Abstract |
前頭前野PF(PSv、PSd)、吻側運動前野PMr、尾側運動前野PMc(PMd、PMv)および運動野(Mot)に刺激電極を、また前3者には冷却槽を設置し、遅延条件付きGO/NO-GO課題を訓練した1頭のサルを用い、45個の小脳核ニューロンについて、大脳皮質電気刺激に対する応答PSTHにより前頭葉皮質各部からの入力を調べ、かつ、それらの課題遂行時の発射活動を観察できた。PFあるいはPMrから入力を受けるニューロンの大多数は、課題に用いた光刺激(LED)に対して短潜時(110ms以下)の応答を示すことが確認された。これらのほとんど(43)が視床電気刺激に対し逆行性応答を示し視床への投射が確認された。26個のニューロンで大脳皮質の1カ所または2〜3カ所の冷却の効果を調べた。PFの主溝腹側部PSvの冷却をテストした9個のニューロンのうち7個で、またPMrの冷却では15個中5個で、短潜時視覚応答の減弱が見られた。PMdの冷却による短潜時視覚応答の減弱は7個中2個で見られたが、2例とも同じニューロンに対するPSv,PMr冷却の効果に比べ減弱の程度は弱かった。以上の結果から小脳外側核ニューロンの短潜時視覚応答の一部は前頭前野の活動に依存することが明らかになった。この種の小脳核ニューロンは、短潜時の応答に続いて、やや潜時の長い(110〜180ms)視覚応答を示す。本実験および以前のデータからその半数以上はGO試行とNO-GO試行で異なった応答を示すことが明確になった。この課題GO/NO-GOの区別を知らせる二度目の光刺激は、どちらの試行でも同じ赤か緑のLEDであるため、視覚応答の違いは刺激の持つ意味の違いを代表している可能性が高く、GO/NO-GOの判断に関与し得る。短潜時視覚応答はその後に続く認知的活動のきっかけになるように思われる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Ijichi,K.Jinnai,A.Kuzukawa H.Kizuki: "Cooling effect of prefrontal cortex on the activities of the lateral cerebellar nucleus receiving prefrontal input"Neuroscience Research. Suppl.24. s77 (2000)