1998 Fiscal Year Annual Research Report
皮質-網様体-脊髄路系の構築様式と高次運動制御機序
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10680770
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
松山 清治 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (40209664)
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Keywords | 脳幹網様体 / 網様体脊髄路 / 大脳皮質 / 運動野 / 皮質網様体路 / 皮質-網様体-脊髄路 |
Research Abstract |
本年度は皮質-網様体-脊髄路系の構築様式の解明を目的として、以下の2項目についての研究を実施した。 1) ネコ網様体脊髄路軸索の腰膨大部多髄節支配様式の解析:ネコ(4匹)の内側橋網様体(吻・尾側橋網様核)に順行性神経標識物質(PHA-L)を微量圧注入し、8-9週間の生存期間ののちに動物を灌流固定し脳・脊髄組織を摘出した。脳幹および脊髄(腰膨大部)の50μm連続横断凍結切片を作成し、これらの切片標本をもとにPHA-L順行性標識された網様体脊髄路線維および終末の脊髄内分布を解析した。さらに連続切片より網様体脊髄路軸索の腰髄内走行軌跡を多髄節にわたり追跡し、単一網様体脊髄路軸索を同定した。さらに、これらの軸索が分枝する軸索側枝の灰白質内分枝様式を連続切片上より再構築し、単一網様体脊髄路軸索の腰膨大内多髄節支配様式を明らかにした。以上の成績はJ.Comparative Neurologyに投稿し受理された。 2) サル大脳皮質運動野の網様体投射様式の解析:ケタミン麻酔下でニホンサル(3頭)の一次運動野に皮質内微小電気刺激を加え、誘発された運動より上肢・下肢・体幹領域を同定した。各々の皮質領域に順行性神経標識物質(BDA)を微量圧注入し、3-4週間の生存期間ののちに動物を灌流固定し大脳・脳幹組織を摘出した。大脳・脳幹部について50μm連続横断切片を作製した。これらの切片標本をもとに順行性標識された神経線維および終末の脳幹内分布について現在解析している。さらに脳幹連続切片上より順行性標識線維の脳幹内分枝様式を再構築し、皮質網様体投射線維の網様体支配についても解析中である。 本年度は科学研究費補助金の主たる設備備品として顕微鏡三次元座標入力装置(MBF社・BP-30)を購入した。この装置は上記1)2)の研究で標識線維・終末の分布様式の解析および単一神経線維分枝様式の三次元再構築の解析に使用している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松山清治: "Morpkxlogy of Single Pontine Retiwlospinal Acons in the Lumbon Enlargcrrcunt of the Cat o A study Using the Auterogrocle Tracer PHA-L" The Journal of Comparatine Nourelogy. (印刷中). (1998)
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[Publications] 松山清治: "Neurel Mechenisms for Generuting Loconotor Activities" Ole Kiehn,R.M.Harris-Warrick,L.M.Jordan,H.Hultborn,N.Kudo, 573 (1998)