1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入マウスを利用したクラミジア性動脈硬化モデルの作製
Project/Area Number |
10680774
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八神 健一 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40166476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下釜 達朗 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50170999)
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Keywords | クラミジア / 動脈硬化 / マウス |
Research Abstract |
本研究は、遺伝的に明確な要因で高血圧を起こす「つくば高血圧マウス(THM)」およびアポE欠損マウスにクラミジアを感染させ、クラミジア性動脈硬化モデルを作製し、その病巣形成過程を生化学的、病理学的、分子生物学的に解析することを目的とする。初年度は、実験に使用するマウス系統およびクラミジア(Chlamydia pneumoniae)の条件設定行った。まず、Chlamydia pneumoniaeの感染量を決定するため、2系統の遺伝子操作マウス(つくば高血圧マウス:THM、アポE欠損マウス:Apo-E)および野生型対照マウス(C57BL/6)のメスに各種濃度のChlamydia pneumoniaeを経鼻感染させ、LD50、ID50値をマウスの生死、IFA抗体の検出により算出し、実験に用いる感染量を決定した。 また、3系統のマウスに高脂肪食と普通食を給与し、動脈硬化初期病変の始まる時期を明らかにするため、血圧、コレステロール濃度、血管初期病変の変化を検討した。THMでは生後6週で既に高血圧とそれに伴う大動脈および臓器細動脈の血管壁の構造の変化が認められた。胸部大動脈では血管平滑筋細胞の肥厚が認められたが、弾性板の質的・量的変化は認められなかった。これに対し、腹部大動脈では弾性板の増加を伴う平滑筋細胞の著明な増殖が認められた。これらの結果より、クラミジアの感染時期を生後6週齢とすることとした。 THMの血管病変について、論文が印刷中である。
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Research Products
(1 results)