1998 Fiscal Year Annual Research Report
新たな自然発症てんかんラット系統におけるてんかん発作の分析
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10680780
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
辻 繁勝 和歌山県立医科大学, 医学部・第二生理学教室, 教授 (70073658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 裕司 和歌山県立医科大学, 医学部・第二生理学教室, 助手 (50197761)
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Keywords | てんかん / 自然発症 / 疾患モデル動物 / 欠神様発作 / 強直性発作 / ラット |
Research Abstract |
本研究は、我々が発見し育成している自然発症てんかんラット系統を用いて、てんかん発症機序を解明するために行われている。これまでの研究により、本ラットが欠神様発作と強直性発作を自然発症し、それぞれspike&wave様脳波と低振幅高周波の脳波を示すことから、その発作の記録解析システムの構築と発作頻度の定量を目的として以下の実験を行い成果を得た。 材料には本講座で維持しているてんかん発症ラットを用いた。飼育中に強直性発作が観察された3ヶ月齢以上の個体を用いて、麻酔下で硬膜上電極及びテレメトリー送信機を埋設し、無刺激飼育下で受信機からの信号をA/Dコンバーターを経由してパソコンに取り込み、記録すると供に波形解析を行い、各発作時脳波の特定と頻度の集計を行うシステムを作成して、テレメトリーによる脳波観察システムを構築した。これにより、無刺激飼育下脳波の慢性記録観察が可能となり、各発作頻度の定量化を行った。また欠神様発作と強直性発作の発現頻度の関連についても解析を進めている。 これらの結果から、本てんかんラット系統は、てんかん発作機序を解明するためのモデル動物として有意義な存在であることが明らかとなり、今後本システムと蓄積した記録を利用して、抗てんかん薬を用いた薬理試験によるプロファイリング解析を行い、ヒトの各種発作タイプとの類似性等も考察できる物と考えられる。
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[Publications] Tsubota,Y.: "Some aspects of creatine kinase gene product in the B6CBA/J-cro mouse, a muscle disease mutant." Japanese Journal of Physiolosy. 48. S93 (1998)
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[Publications] Owada-Makabe,K.: "Developmental arrest points in scid mutant and RAG-2-/-mice and a novel in vivo reporter assay using rsGFP." Japanese Journal of Physiolosy. 48. S26 (1998)
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[Publications] Tsubota,Y.: "Profiles of serum lipids of a new spontaneously epileptic mutant rat." Japanese Journal of Physiolosy. 47. S222 (1997)
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[Publications] Owada-Makabe,K.: "Different developmental arrest points in scid mutant and RAG-2-/-mice." Japanese Journal of Physiolosy. 47. S47 (1997)