1999 Fiscal Year Annual Research Report
リバースジェネティクス法を用いた多段弱毒化センダイウイルスワクチンの開発
Project/Area Number |
10680785
|
Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
伊藤 正恵 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10201328)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 博 神戸大学, 医学部, 教授 (40116249)
中川 直子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10280835)
奥野 良信 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, ウイルス課長 (30112064)
|
Keywords | センダイウイルス / 肺病原性 / アポトーシス / ネクローシス / インターフェロン |
Research Abstract |
1 センダイウイルスのマウス肺病原性を支配する遺伝子の同定 強毒野生株(M1)と弱毒変異株(MVC11)との比較から、C蛋白の170番目のPheからSerへの変異により、ウイルスの毒性が消失することを明らかにした。さらに4種類のC蛋白(C',C,Y1,Y2)の変異ウイルスをリバースジェネティクス法で作製して、Cの欠損株ならびにCの10-15番目のアミノ酸を欠失した変異株でマウス病原性が減弱することを示し、C蛋白の病原性への関わりを明確にした。一方、MVC11にはL蛋白の2050番目にGluからAlaの変異があり、ウイルスの毒力への関与について解析を進めている。 2 C蛋白変異ウイルスの弱毒化機構 (1)インターフェロン感受性:C蛋白は細胞のインターフェロン感受性を低下させるとされているが、MVC11はインターフェロンレセプター(IFNR)のノックアウトマウスに対しても、IFNRを持つ通常のマウスと同程度に弱毒化されており、インターフェロンの関与はないという結果を得た。 (2)細胞死の影響:C蛋白変異弱毒化ウイルスは、アポトーシスおよびネクローシスを引き起こし、感染細胞を死滅させた。その結果ウイルスの増殖は中断され、このことが病原性の低下をもたらすものと推察された。一方、強毒株によるアポトーシスおよびネクローシスの誘導は軽微で、長期間にわたりウイルスを産生し続けた。カスパーゼ阻害剤存在下でも、弱毒株感染細胞は速やかに死滅した。この条件では、アポトーシスの誘導は抑制されていたがネクローシスは抑制されておらず、弱毒株による細胞死にはネクローシスの役割が大きいと考えられた。 3 組み換えキメラウイルスの増殖能の検討 Z株と新鮮分離株のP遺伝子のキメラウイルスは増殖能が低下する傾向が認められ、今後詳細に検討する必要があると考えられた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Itoh, Masae: "Increased induction of apoptosis by a Sendai virus mutant is associated with attenuation of mouse pathogenicity"Journal of Virology. 72(4). 2927-2934 (1998)
-
[Publications] Latorre, Patrizia: "The various Sendai virus C proteins are not functionally equivalent, and exert both positive and negative effects on viral RNA accumulation during the course of infection"Journal of Virology. 72(7). 5984-5993 (1998)
-
[Publications] 伊藤正恵: "センダイウイルスのマウス病原性発現機構"ウイルス. 49(1). 53-60 (1999)
-
[Publications] 伊藤正恵: "センダイウイルスの病原性に関わるタンパク質"バイオサイエンスとインダストリー. 58(1). 32-35 (2000)
-
[Publications] Nakagawa, Naoko: "Rapid detection and identification of two lineages of influenza B strains with monoclonal antibodies"Journal of Virological Methods. 79. 113-120 (1999)
-
[Publications] Handajani, Rento: "Prevalence of GB virus C/hepatitis G virus (GBV-C/HGV) infection among various populations in Surabaya, Indonesia, and identification of novel groups of sequence variants"J. Clin. Microbiol.. 38(2). 662-668 (2000)
-
[Publications] Ishido, Satoshi: "Methods in Molecular Medicine"The Human Press, Inc. (印刷中). (2000)