1998 Fiscal Year Annual Research Report
整形外科用人工関節から生じる合金微粒子と金属イオンの生体内分布挙動と毒性の研究
Project/Area Number |
10680791
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
市野瀬 志津子 東京医科歯科大学, 機器分析センター, 助手 (60014156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗田 大 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (50190864)
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Keywords | 整形外科用人工関節 / 毒性の発現 / Co-Cr合金 / Ti-Al-V合金 / 合金微粒子とイオン化 / マクロファージ / 電子顕微鏡による観察および分析 |
Research Abstract |
平成10年度は、痛みやルーズニングにより摘出された人工関節の周囲組織中の合金微粒子及び金属イオンの局在を走査電子顕微鏡(SEM)と透過電子顕微鏡(TEM)を用いて調べる実験を行った。その結果を以下に示す。 1.SEM観察用試料を作製し、合金微粒子の表面形状は二次電子を用いて行い、元素分析はSEM付属のX線分析装置(EDS)により行った。生体組織表面及び深層の合金微粒子はSEM付属の高分解能の反射電子検出器により検出した。その結果、細胞外マトリックス中に存在する合金微粒子のサイズは直径0.1μm〜数μmであること。細胞内に取り込まれた合金微粒子と細胞外マトリックスの合金微粒子とで組成が異なることがわかった。 2.TEM観察用試料を作製し、組織中の合金微粒子の形態及び分布をTEMで観察するとともに、TEM付属のEDSにより元素分析を行い合金微粒子を同定し、電子線回折により結晶構造の解析を実施した。その結果、多数の合金微粒子がマクロファージのライソゾーム中に取り込まれていること。ライソゾーム中に取り込まれた合金微粒子のサイズは30nm以下の超微粒子でアモルファスで存在することがわがった。 なお、本研究は追加採択分として採択された研究であり、その研究成果を発表するに至っていない。
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