1998 Fiscal Year Annual Research Report
情動コミュニケーションにおける情報源の相対的重要性と文脈情報の影響についての研究
Project/Area Number |
10710022
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
中村 真 宇都宮大学, 国際学部, 助教授 (50231478)
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Keywords | 表情 / 感情 / 文脈 / 情動判断 |
Research Abstract |
他者の情動を判断する過程は、表情をはじめとした多くの情報を統合するプロセスである。本研究では、情動判断に際して表情と、状況などの文脈情報とがどのように寄与し、相互に影響しあっているのかを解明することを目的とした。 本年度は、これまでに実施した表情と情動喚起刺激の相対的重要性についての検討をさらに進めるため、表情と情動喚起刺激という2つの情報源の提示順序を変えた実験を実施した。その結果、両者を同時に提示した場合には、表情の重要性を示す結果が得られていたのに対して、一方ずつを継時的に提示した場合には喚起刺激が重要であるという結果となった。この結果には、状況情報が影響している可能性が考えられるので、現在その検討を行っている。また、この研究に関してこれまでにまとめた部分を、ISRE(International Society for Researches on Emotions)1998年大会において発表し、またアムステルダム大学のN.Frijda教授をはじめとする研究者にレビューを受け、今後の研究の計画に重要な示唆を得ることができた。 この研究と平行して、本年度は文章化された文脈情報のみが与えられた場合と、それに表情についての情報が加わった場合とで、情動判断がどのように変わるのかを検討した。結果は単純ではなかったが、総じて表情の情報が加えられることによって情動の判断が変化することが示された。また、文脈によって「自然だ」と見なされる表情とそうでないものとがあることが示唆された。これらの結果は情動判断における表情の重要性とどのような場面でどのように表出すべきかについてのルール、すなわち表示規則とを反映していると解釈できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakamura,Makoto: "The effect of the contextual inforomation on the judgment of emotion through facial expressions : The order effect of stimulus presentation." Proceedigs of ISRE'98. (印刷中).
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[Publications] 中村 真: "恥の感情経験における「ごまかし笑い」の規定要因と印象評価" 日本感情心理学会第7回大会プログラム・予稿集. (印刷中).
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[Publications] 中村 真: "罪の感情経験における「ごまかし笑い」の規定要因と印象評価 : 質問紙調査による検討" 日本心理学会第63回大会発表論文集. (印刷中).
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[Publications] 中村 真: "対人コミュニケーションにおける文化差と普通性-表現と感情の心理学的研究の視点から" 異文化コミュニケーション研究. 11. 33-52 (1998)
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[Publications] 中村 真: "表情の文化差と規則性" 月刊言語. Vol.27,No.12. 28-34 (1998)