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1998 Fiscal Year Annual Research Report

自伝的記憶の想起の安定性を規定する要因の検討

Research Project

Project/Area Number 10710039
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

佐藤 浩一  群馬大学, 教育学部, 助教授 (40222012)

Keywords自伝的記憶 / 感情 / 記憶 / ライフストーリー / ライフヒストリー
Research Abstract

目的:平成10年度は大学生並びに30〜60歳代の方を対象に,自伝的記憶の反復想起を求め,1)繰り返し想起される出来事の特性,2)反復想起の安定性の個人差の検討,3)反復想起と関連するパーソナリティ変数の検討,等を行った。
方法:約8週間の間隔を置いて2回,本人にとって重要な出来事を8項目想起し質問紙にその内容を簡潔に記述することを求めた。あわせてその出来事を経験したときの感情,感情強度,その出来事の重要度と影響度の評定を求めた。また自伝的記憶の想起とは別に,現在並びに過去の生活に対する満足度,回想頻度,回想の効用に関する認識等を問う質問紙調査を行った。
結果:
(1) 想起された出来事について
1) 青年群では不快事象より快事象の方が多く想起されたが壮年群では感情の効果は見られなかった。
2) 青年群でも壮年群でも,感情強度の強い事象の方が多く想起された。
(2) 反復想起について
1) 反復率は青年群が0.44,壮年群が0.51であり,重要な出来事の想起を求めたにも関わらず,約半分の内容が入れ替わることが示された。
2) 感情は反復率に影響を及ぼさず,快事象も不快事象も反復率に差がなかった。
3) 青年群では感情強度の強い事象の方が反復想起されやすかったが,壮年群では感情強度の影響はなかった。
4) 反復想起された出来事はそうでない出来事に比較して,重要度や影響度が有意に高かった。
(3) 反復想起と個人差
1) 青年群では快事象を多く想起する人が満足度が高いという結果が得られた。
2) 壮年群では快事象の反復率が高く不快事象の少ない人で,満足度が高いことが示された。すなわち,ある年代になって初めて,自伝的記憶の安定が適応と関連することが示唆される。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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